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「なぁ！ ごめんやけど、めっちゃきしょいこと言うていい！？」
彼との出会いは、高校の始業式の日。
同じクラスでもなかったから、入学式でも会うわけじゃなくて、むしろ始業式に出会ったのがすごいと思うくらい。
「……えっ、やだ、」
始業式が終わって、各教室でホームルームがあった後、彼は私を待ち伏せしていた。
そして、すごくおっきい声でそんなこと言うから、私はもちろん拒否。
すっごい笑顔で多分いい人、なんだけど名前も知らないし、初めましてだし。
「ちゃうねんって！ そんなきしょいことじゃないから！！」
「…嫌に決まってるじゃん……だって私、あなたの名前も知らないし、」
そしたら、あっ、って言って固まった彼。
当たり前でしょ。
そう言ったら恥ずかしそうに頭をかいた。
恥ずかしくなったらする彼のくせ。
大好きだったはにかみ顔が、この時はますます私を恐怖に誘ってたな。
「…っ、ごめん！ 名前から言う！ 俺、しげおか！
しげおかだいき。」
重岡大毅。
私からも名乗ろうと思ったら、知ってる、って言われて、それが1番気持ち悪かったかな、なんて。
「で、いい？」
「…なにが？」
「きしょいこと…あー、大丈夫大丈夫！ 言うことはきしょないから！ その…タイミングが、ってだけで、」
知らない間に周りから人が減っていっている気がした。
理由は紛れもなく、下校から時間経ってきているせい。
私は、記憶の中だと、彼の言葉に頷いてはいない。
だけど、目の前でその、きしょいこと、を言うために息を吸う彼は、だってAが頷いてくれたから！って後になって言うんだ。
「…っ、あの！ 櫻木Aさんっ！」
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「…は、？」
一瞬、理解に苦しんだ。
いや、10秒ぐらい沈黙があったと思う。
だって、そんなの初対面じゃない人にも言われたことないんだから。
けど、言った本人は、恥ずかしさからか真っ赤になる顔の熱を吐き出すために鼻を膨らました、ちょっと面白い顔。
気持ち悪いのに、びっくりしたのに、意味わかんないのに、
「…けっこん？ 私とあなたが？笑」
気づけば、笑ってた。
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続く (更新停止中)
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作者名：舞虎翔 | 作成日時：2018年4月24日 18時
