台本置き場２ (ページ7)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:1,826 hit

人柱アリスパロページ7

今日はあなたに少し不思議な夢の話をしてあげましょう。
さぁ、こっちにおいで。

昔々、深い森の奥に小さな国がありました。
その国には小さな夢がありました。
誰が見たのかもわからない、本当に小さな夢でした。
小さな夢は思いました。
「このまま消えていくのは嫌だ！どうすれば人に僕を見てもらえるんだろう……。」
小さな夢は考えて考えて、そしてついに思いつきました。
人間を自分の中に迷い込ませて、世界を作らせればいいと……。

１人目のアリスはとても勇ましい女剣士でした。
彼女は剣を持ってやってきました。
自由気ままに生きる一匹狼のような性格で、
自分が邪魔だと考えたものを次から次に殺して
森の小道に真っ赤な絨毯を敷きました。

ですが、そんな日々はそう長くは続きませんでした。
彼女は森の奥深くへ姿を消してしましまいました。
今ではどこかで囚われているとか……。
彼女がどこへ行ったのかを知ってるのは森に残された赤い道だけ。

２人目のアリスはおとなしい青年でした。
彼は歌を歌いながらやってきました。
水のように清らかで透き通った歌声は
瞬く間に広がり、彼は自分の音楽で理想の世界を作り出しました。
自分の理想の狂った世界を……。

でも残念。彼も失敗作だったみたいですね。
彼が散歩していたら銃声が鳴り響きました。
そう、彼は何者かによって殺されてしまったのです。
彼が死んだ場所には、バラの花が綺麗に咲いていて
皆から愛されています。

３人目のアリスはとてもかわいらしい少女でした。
彼女はきれいなドレスを着いました。
花のように美しい彼女に人々は心を奪われ
彼女はいろんな人を惑わせて
おかしな国を作りました。

彼女はその国の女王に…。
ですが、毎晩悪夢に襲われます。
今はまだ若いですが、いずれは年老いて
綺麗な体も朽ちてしまう……。
そんな恐怖に襲われながら
女王として今も城で生活しています。

４人目のアリスは幼い双子の姉弟でした。
いろんなものに興味があり、この世界へもやってきたみたいです。
今までいろんな場所を通り、試練を潜り抜け
ここへたどり着きました。
森の小道をたどったり、バラの木の下でお茶会をしたり…。
お城に招待されたり…。
気の強いお姉さんと、賢い弟。
一番アリスに近かったのですが………。

２人の夢は覚めないまま。
ずっと不思議の国でさまよっています。

みんなを迷い込ませていた夢は、力、人望、富、能力…すべてを手に入れました。
あと必要なものは………。