【名探偵コナン】虎視眈々。【男主】

にじゅうはち。 ページ33

夕方に降った雨も止み、涼しい夜風が頬を撫でる午後9時。


自分で得た情報とサクに貰った情報を元にターゲットの動向を予測し、現場にて潜伏中。

米山は高級キャバクラで遊ぶようだ。
…それも、運良く(・・・)残りのターゲットの2人も一緒に。

これほど幸運なことはないが、そういう時こそ気を引き締めなくてはならない。


今、俺はターゲット達が入った高級キャバクラの向かいの空きビル3階から、店を見下ろすかたちで待機している。

高すぎても低すぎてもいけない。そんなところから動向を伺うのがメジャーだ。


海外の映画などではよく、スナイパーライフルでターゲットを狙撃して任務完了、というのがあるが生憎スナイパーライフルの扱いには長けていない。(使えなくはない)






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午前0時を回る。

普段の行動からするとだいたいこの時間から２軒目に行くはずだ。


…！！！

ターゲット達が店から出る。
顔はほんのりと火照り、若干の酔いが見てとれる。


夜の繁華街を歩きながら、道行く女性へ手当り次第に声をかけているのがわかる。




見失わないうちに空きビルを去り、ターゲット達の尾行を開始する。





「次どこ行くよ」「この前の店は〜？」「その前に女捕まえようぜ」「ギャハハハ」「いいなそれ〜」


なんていうクソみたいな話が聞こえてくる。

まだ完全には酔っていないようで、足取りもしっかりしているし、障害物もちゃんと避けている。

…ベロベロに酔った状態で殺そうかと思ったが、意識がはっきりしているほうがいいな。



この先の道は繁華街より少し離れたところになるため、人通りも少なくなる。おまけに明かりも。


先回りして、ターゲット達を出迎える。



「五十嵐まこと」の格好で。




「あれ〜？どしたの、お姉ちゃん」「1人？つかかわいいね〜」「こんなとこで何してんの？」

『いえ…何も……。』

座っていた隣に置いてある大きめの黒いリュックを見て、どうやら家出か何かだと思ったらしい。

なお、中身は着替えや武器だ。


「じゃあさ、ちょっと俺らと遊ばね？」
「このへん危ないからさ、移動しようよ」
「金は俺が出すからさ〜？俺こう見えて金持ちなんだよ」

グイッと腕を引っ張られ、強制的に立たされる。


純粋無垢な家出少女を装い、躊躇いながらも行先に従うフリをしておく。


だいたい70%は判断力が鈍っているようだ。



ここで慢心してはいけない。


隙を伺うのだ。

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