【名探偵コナン】虎視眈々。【男主】

にじゅうなな。 ページ32

その前に、遂行のためにはより詳しい情報が必要だ。
複数のSNSを行使すると、意外に情報が集まる。

まず、主犯格の男は…

米山金融の一人息子、米山雅也。24歳。
現在は副社長として働いていて、1人の幼い女の子を授かっているみたいだな。

…はあ。

こういう奴に限って家族がいて、恵まれた環境でのうのうと生きてんだよな。



『…cazzo(クソが)』



──あとはこいつを抜いた2人か。
あとの2人も割と簡単に基本的な情報を集めることが出来た。


だが、これだけでは詳しい情報とは言えない。

…そもそも、普段と同じように殺す手段でいいのかも迷っているところだ。

こういう人間は社会的に(・・・・)死んだほうがいいかもしれない。

………いや、どうせ死んでからバレるんだ。同じか。



とりあえず、またあいつに連絡をしてみる。


『もしもしサク？ちょっと調べてほしい奴らがいるんだけど』

《あ"？自分でやれよ》

『俺は裏の情報専門だからさ、表の情報はサクのほうが適任なんだよ。おねがーい』

ちょっとかわいくおねだりしてみる。

《気色悪ぃ。はぁ…。名前言ってみろ》

『ありがとう。主犯格は米山雅也。多分サクならわかるよね？』

サクはお金持ちの子なのでおそらく知っていると思う。


《は？！あの米山金融のか！？正気か》

『正気だよ。そいつ、何年も前に性的暴行で人ひとり殺してんの。まあ揉み消されたけど』

《ガチか。クソだな。どこまで知ってる？》


今自分が得ている情報や、あとの2人の情報を伝え、サクに託す。


裏の組織などに関わっている人間ではなかったから、おそらくサクなら1時間はあれば行きつけや普段の行動パターンなんかもわかるはずだ。


その間に必要な道具や装備を準備しておく。


特にこれといって揃えるものはないが、今回はターゲットが特殊なために普段より慎重になる必要がある。

──下手すると警察と対峙するかもしれない。


連絡が来るまで、仮眠でもとるか。









────お父さんがいなくなった子どもはどう思うだろう？
きっと奥さんと子どもは、"世間"の目に耐えられないだろう。

俺に犯人を裁く資格なんかあるのか？
犯罪者の家族を不幸にする俺も同罪じゃないのか？





───────妹と、母親を殺したくせに。






ハッと、夢から醒める。

また、夢だ。


…うるさいな、わかってる。



そう言い聞かせ、水を1杯飲んで落ち着く。



さあ、引き締めていこうか。

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