【名探偵コナン】虎視眈々。【男主】

にじゅういち。 ページ26

『抹茶フラペチーノのソイとスコーンお願いします。店内でいただきます』

「かしこまりました。少々お待ち下さい」

こんにちは。今日の情報屋neroはステバで仕事をします。

たまにはこういうのも悪くない。



「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」


店員さんから注文したものを受け取り、パソコンが人から死角になりそうな席につく。

おそらく周りからはパソコンで勉強か何かをする普遍的な男子高校生にしか見えないだろう。


(…あ、来た来た)

今回のターゲット。34歳のサラリーマン。

…に見える裏の奴(・・・)。


そう。今回はモグリをしてターゲットの持つUSBを回収することが仕事である。

こういう仕事のときはハニートラップばかりなので、探偵みたいなことをするのはワクワクする。

毎週日曜日、正午になると同じく同業者とこのカフェで落ち合って麻薬や殺人に関する情報を交換し合っているらしい。

流石にこんな店内で接近するのは無理があるので、挙動を観察してから尾行→人気のない路地裏などでUSBを奪い取る。


午前11:58…。そろそろだな。




『！』

来た。

ターゲットと同じく見た目はただのサラリーマンだが、俺にはわかる。あれは、カタギじゃない奴のオーラだ。


事前にターゲットの座る席には盗聴器を仕掛けておいたため、パソコンで聞かせていただく。


「やあ、久しぶり。元気してたか？」
ﾄﾝﾄﾝ。
「ああ。でも、最近仕事が忙しくてな。」
ﾄﾝﾄﾝ。
「そうだ。この前言ってた資料、持ってきたぜ」
ﾄﾝﾄﾝ。


そんな会話が聞こえる。
これだけだとただの世間話だが、2人はごく自然に"わかる奴にはわかる"会話をしている。

…机で。

正確には、モールス信号で。

"きょうの じょうほうは きちょうだ"
"わかってる みせいねんばいしゅんの たーげっと りすと だろ"
"そうだ くれぐれも しんちょうにな"

…未成年売春のターゲットリスト。


聞いただけで吐き気がする。
こいつらを先に殺してしまいそうだが、それは依頼を遂行した後にいくらでもできる。


──後から来た奴が、先に出る。

こいつはただの下っ端なので放っておいてもいい。

おっと。ターゲットが店を出るぞ。


5秒後に後を追って店を出る。

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