じゅうきゅう。 ページ24
ホテルを出ると、午前11時。
春風に全身を撫でられる。
というか高校生にもなって貞操無さすぎないか?俺…
こんな体になっちまったのはいつからなんだろうな。
たしか…
「あれ?Aくん?」
後ろからかけられた声に振り向くと、金髪のイケメンが目に入った。
安室透さんだ。
『あ〜、安室さん!お久しぶりですね。』
安室さんは黒のウィンドブレーカーに白いパンツ、そしてキャップを被っていた。
…なんか組織の奴が任務受けたときみたいな恰好だなと思った。
「今このホテルから出てきたように見えたけど…気のせいだったかな?」
ニコッと爽やかに笑っておきながら言い訳のしにくい質問。
安室さんって意外とドSなのかな?
『はい。叔父が今滞在してるのでちょっと顔出しとおつかいしてきたんです〜』
こちらもニコッと営業スマイル。
カルーアは敬語と10カラットの笑顔と情報収集が売りだったんだからな?
「…なるほど!このホテル、ガラの悪い人たちが使ってるって噂があるから、もしかしてAくんもそうだったらどうしようかと思ったよ」
『いやだなぁ。そんな人に見えますか?意外と疑り深いんですね』
「見える…と言ったら?」
両者一秒たりとも笑顔を絶やさず。
『ただの高校生ですよ?沖矢さんの知り合いの。』
沖矢さん、と言った途端、俺は安室さんの眉が動いたのを見逃さなかった。
やっぱりこの2人、知り合いなんだ。
そして、何か因縁があるんだ。
……いつ?どういう?
「あ、じゃあ僕は用事があるから、またね」
『安室さん』
『Spero tu non sia un nemico.』
「…?イタリア語かな?意味はわからないけど、すごいね」
『それほどでも。』
同時に背を向け、2人は歩きだす。
あたたかかった春風は、冷たくなったように感じた。
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「"貴方が敵でないことを望む"、か。
…何者なんだい?白藤A」
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猫好き - ちゃーいるさん» コメ返しありがとうございます。これからも頑張って下さい!!(^○^) (2019年5月3日 10時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃーいる(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます(^O^) (2019年3月6日 17時) (レス) id: 9d46b47ea3 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 最高 神 天才!! でも見て恥ずかしくて顔真っ赤になりましたww (2018年12月16日 18時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - アアアアアアアアアアアアアア(悶\(^^)/ (2018年11月20日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃーいる(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます!ダラダラ更新ですがよろしくお願いします! (2018年6月14日 22時) (レス) id: 9d46b47ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤咲 | 作成日時:2018年5月24日 1時