【名探偵コナン】虎視眈々。【男主】

じゅうよん。 ページ18

「きゃぁあああ！！！！」


女性の叫び声から始まり、騒々しくなる夜の街。

パトカーが2、3台集まり、道は規制され、"現場"にはブルーシートが設置されている。


米花町の道の途中にある路地裏。
そこで遺体は発見された。

ぱっと見ただけで幾つもの打撲痕や青ジミがあるのがわかるが、中でも首にザックリと刺されたナイフ、両手の甲に刃物でつけられた"✕印"が目立つ。

最近の米花町では男性の刺殺事件が多発している。

しかし、被害者の共通点はなんと全員"前科者"なのだ。

警察も動機や証拠が全く見つからず犯人はまだ捕まっていないどころか目星さえついていない。

困っているのはこの名探偵もそうだった。

「(…今回も全く証拠がねぇ)」

第一発見者の女性にもアリバイがあり、話だけ聞くと早々に帰路へ向かわせた。

ただわかっていることは、
・今までの被害者が全員前科者だということ
・しかしそれは未成年のとき起こしたものや罪と罰のバランスが合わない判決を受けた者(事の割に軽い罰だった)
・首に深くナイフを刺され両手首に「✕」が彫られていること

くらいだった。

さらに、1mmもの証拠さえ残さないこと。
これが警察や名探偵をも悩ませる要因だった。

去年から合わせるとその刺殺事件は20に達していた。

「目暮警部、今日もな〜んの証拠もないね」

「…ああ。毛利くんでさえわからないとなると我々にも……。」

「(…何か、何かあるはずだ！そもそも犯人は何故前科者ばかり狙う？いや、まずそんな情報はどこから得ている！？まさか…組織の人間か！？)」


その事件の帰り道でもひたすら考えるが全く真実に辿り着く術はなかった。


ドンッ

「あっ、ごめんなさ…！…A、さん？」

あぶねぇ。つい下向いて考えてたからぶつかっちまった。

顔を上げると、ぶつかった相手はあの時の不思議な人、白藤Aさんだった。

じゅうご。→←じゅうさん。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す