きゅう。 ページ12
あの時と同じように店の扉を開くと、ﾁﾘﾝﾁﾘﾝというベルの音と共にコーヒーの香りが出迎えてくれる。
「いらっしゃいま……沖矢昴、さん」
「こんにちは、安室さん。客にそんな怖い顔をされてはいけませんよ。」
なにやら険悪な様子だ。
安室さん、いったい何者なんだ？？
その口ぶりでは昴さんの正体を知って…る？
「…二名様ですね。空いているお席にどうぞ」
適当に近くにあったファミリー席に座らせていただく。
あ、ここ前に座ったとこだ。
ﾁﾘﾝﾁﾘﾝ
「いらっしゃいませ。コナンくん
今日は1人なのかな？」
「うん！今日、蘭姉ちゃん出かけてるから昼ごはん済ませてって！」
そんな会話が聞こえてくる。
「あ！昴さん！…と、まことさん、？」
カウンターへ一直線に行くかと思いきや、ちらりと店内を見渡し、先にいた昴さんと俺に気付いたコナンくん。
「こんにちは、コナンくん。
残念ながら、こちらはまことさん…という人ではないですよ。」
『Aで〜す。はじめまして。』
「へ〜…。でも似てるんだよね、口元のほくろとか」
まあ流石にこれ隠してなかったからバレるか。
『あはは。実は双子なんだ、俺たち。
二卵生なんだけど、顔とかすごく似てるでしょ？よく言われるんだよね。
今日はまことに聞いて昴さんと来てみたんだ』
流れるように嘘がスラスラと出る自分に、関心と少し軽蔑を覚える。
「そうなんだ！お兄さんは昴さんとどういう関係なの？」
…どう言えば納得するか。矛盾がなく説明できるか。
無自覚のうちに、顔に焦りが出ていたようで。
「彼は、結構前にたまたま図書館で知り合ったんですよ。本の趣味が合いましてね」
『そ。昴さんが読みたかったのを俺が貸し出しててね。それから何回か会うようになったわけ。』
昴さん、ありがとう。自分の嘘、グッジョブ。
「なるほどね〜！ありがとう！ねぇ、僕も一緒に座っていい？」
『どうぞ〜』
本当はまあ、ちょっと嫌だったが昴さんが嫌がらなかったので許可。
…で。
『なんで俺の横？』
「Aさんのこと、よく知りたいな！って」
あ〜〜これは疑ってるな。俺のこと。
何も知らないフリしとくか…
─────
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫好き - ちゃーいるさん» コメ返しありがとうございます。これからも頑張って下さい!!(^○^) (2019年5月3日 10時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃーいる(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます(^O^) (2019年3月6日 17時) (レス) id: 9d46b47ea3 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 最高 神 天才！！ でも見て恥ずかしくて顔真っ赤になりましたww (2018年12月16日 18時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ（悶＼(^^)／ (2018年11月20日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃーいる(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます！ダラダラ更新ですがよろしくお願いします！ (2018年6月14日 22時) (レス) id: 9d46b47ea3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤咲 | 作成日時：2018年5月24日 1時
