マコトの受難 ページ1
身体が動かない。
遠くでたくさんのひとが騒いでる声が聞こえる。
私、もうだめなのかな……。
意識が遠のいていく……。
「やあどーも。ごめんねー!!間違えて刈っちゃった〜。」
……なんだ、このチビは。
目の前には、灰色の肌をした黒ずくめの少年が立っている。
少年は八重歯をのぞかせながら笑っている。軽く舌を出し、イタズラをしている子供のように。
「はあ……?“刈った”って何のこと?」
私はいぶかしげに少年を見る。どうやら彼は人間ではないらしい。
「え?何って……。キミのタマシイだよ?」
……は?ちょっと待て。今、“タマシイ”って言った?
「タマシイって……」
私がそう言い方かけた時、少年は遮る(さえぎる)ように言う。
「ぼくが間違えてやっちゃったの!!責任は取るから許してほしい。」
なんだ。その勝手な言い分は。そもそも責任って一体何をするんだ。
「ぼくと契約してくれない?」
「はい?契約?なんじゃい、それは。」
……要するに、彼と“契約”をしないと元の身体に戻れないらしい。彼は見習いの“シニガミ”だという。シニガミって契約すんのか。
「成り行きになっちゃったけど、お願いできるかなぁ……?」
この少年はゼラというらしい。ゼラは人間と契約しないと自分の力を十分に使えないという。
「ねぇ、お願い。契約しないと生き返れないよ?」
勝手にころしておいて契約を迫るとは。とんだ詐欺である。
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作者名:F-reaSAN(ふれあサン) | 作成日時:2019年10月22日 23時