妄想1 ページ3
＿＿＿放課後。
部活も終わり、静まりかえった体育館。
そこを私はスマホ片手に一人で歩く。
『えっと、今日はどこのシチュかな？』
一人で呟きながらスマホの電源を入れ、あるアプリを開く。
『...体育館倉庫か、やった！
え、しかも誰もいなくなった放課後！？
いやん完璧じゃないですか〜！！
今日はすっごく実感できるぞー！』
テンション高めにスキップしながら体育館倉庫に向かう。
『着いた着いた...で、なになに？
Aはマットの上に押し倒され...
お、ちょうどあるじゃんラッキー。
よいしょ....
え、ちょっと待ってこれヤバくない！？
興奮する！！！
そして...え！？腕を押さえつけられ...！？
ヤバいヤバい！！』
察しのいい方はお気づきだろう。
いま私がしているアプリとは....
《恋する学園生活！！魔法のキスが解ける前に...♥》
要するにまぁ......
乙女ゲームってやつだね！！
いやでもほんとに楽しいんだよコレ。
...え？
それよりも今私がしてること？
竜二先輩(キャラの名前)に押し倒されてますけど？？
いやー、私ちょっと妄想癖があってさ......
ゲームのキャラに本当にされてるかのように現場を再現するのが最近のマイブームっていうかね.....
部活が終わったあとの体育館の戸締まりとかは私が一任されててね、それを利用して体育館では好きなことし放題なんだよねー
学園モノだからシチュエーションがね、たまに完璧だったりするんだよ！
今日みたいに！！！！
もちろん、あのイケメンだらけのバレー部員でもめっちゃ妄想してるよ！！
こんなこと知られたら皆にどん引かれることはわかってるから、こっそりね、こっそり。
この事を唯一知っていて、今も一緒にいてくれてる秀はほんと神だと思う。
いつもは秀が着替え終わってここまで迎えに来てくれるまでが私の放課後妄想タイムなんだけど、今日は秀が風邪引いちゃって休みなんだー。
この後お見舞いに行くけど.....
その前に！！
この妄想タイムをしてから！！
いつも迎えに来てくれる秀には悪いけど、今日は秀が来るまでっていう制限時間がないんだもん！！
楽しませてもらうぜ！！
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作者名：軒下 | 作成日時：2017年8月28日 15時
