お母さん ページ1
「おかーさん!!見てー!!」
初めて個性が発現した日、私は真っ先に大好きなお母さんに個性を見せたんだ。
「なあに？どうしたの、A？」
「んーとね、見ててね〜…えい!!」
ボウッ!!
視界が蒼く埋め尽くされる。全身を包む青い炎。
お母さんが驚いてるのを見て何だか悪戯が成功したみたいで嬉しかった。
「凄いでしょ!!私の個性だよ!!」
得意気にそう言えばお母さんは困ったみたいに笑ってた。
私はもっとお母さんを驚かせたくてさらに個性を発動させる。
私のこの炎は変わってた。
パキ、ピキキッ…!!!
「それは…!?」
足元が凍る。
正確には炎が。
驚いて固まってしまったお母さんをよそに私はもっともっと個性を発動させる。
ジュッ、ワ!!
今度は燃やすことを意識して氷を蒸発させた。
「えへへ、凍らせるし燃やせるんだ!!」
凄い？と聞く。
お母さんに褒めてもらいたくて、実際、褒めてもらえると思って聞いた。
だってこんなに凄い個性だもん。
双子の兄も凄い個性だってお手伝いさん達は褒めてたから、きっと凄い個性ならお母さんも喜んでくれるハズだって思ってた。
けど、お母さんは怯えためで目で辺りを見回した後、真剣な顔で私に言った。
「いい…絶対にお母さん以外の人に個性を見せちゃだめよ…!!」
「え…でも、お父さんは個性が出たらすぐ見せろって…」
「ダメ!!特にお父さんには絶対にダメ!!」
ただならぬお母さんの剣幕にビクッと体がこわばった。
何だか怒られてるみたいで怖かった。
怯える私に気付いたのかお母さんは慌てて安心させる笑顔を浮かべて私を抱きしめた。
「お願い分かって、その事は貴方の為でもあるの…焦凍、お兄ちゃんみたいに貴方をお父さんの道具にはしたくない……わかった？」
「うん…わかった!!」
お母さんはそう言って優しく頭を撫でてくれた。
私はただ、お母さんの言う通りにしただけだ。
それからすぐに、お母さんは居なくなった。
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ミロリン(プロフ) - 砂羅 零さん» 誤字報告痛み入ります！早速修正させて頂きました、ご丁寧にわざわざご指摘下さり本当にありがとうございます！ (2017年8月16日 19時) (
レス) id: 65625e03e7 (このIDを非表示/違反報告)
砂羅 零 - 拘束が高速になってます。 (2017年8月10日 18時) (レス) id: 7297fcdd76 (このIDを非表示/違反報告)
ミロリン(プロフ) - 柚子さん» とても嬉しいお言葉です！ご声援を励みにこれからも頑張って更新していきますね！コメントありがとうございます！ (2017年5月17日 20時) (レス) id: 65625e03e7 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 凄く面白かったです！更新頑張ってください！ (2017年4月17日 22時) (レス) id: 4584690b17 (このIDを非表示/違反報告)
ミロリン(プロフ) - ユキさん» ご指摘ありがとうございます！でも、それは一応わざとなんです、ややこしくてすいません！ (2017年4月11日 7時) (レス) id: 65625e03e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロリン | 作成日時：2015年5月11日 22時
