ジョンウの素顔 ページ8
「気をつけ、礼、ありがとうございました」
ようやく4時間目が終わって昼食の時間。
テイル先生は今日も、手作りサムギョプサル弁当らしい。聞いただけで美味しそうだった。
購買に向かう廊下を歩いていると、ジョンウを発見。
「あっ、先輩！昨日はありがとうございました！」
少し会釈してくれるジョンウは、やっぱり後輩って感じで可愛い。
「先輩も今からご飯ですよね？僕もこれからです！」
よく見れば、ジョンウは腕に何個もパンを抱えている。
いやどう見ても多すぎるでしょ。
「僕けっこう食べるんですよ。いつもこんな感じです」
「へ〜そうなんだ……」
「もうちょっと何か反応してくださいよ〜」
こっちを見て唇を尖らせるジョンウ。
それを見て、昨日の姿を思い浮かべる。
……別人じゃん。緊張のせいで静かだったのかこの子は。
そして次に思い浮かぶ、バスケ部の皆さん。
なんかこのジョンウとチョンジェヒョン、相性良さそうで怖いんだけど、先輩たちは大丈夫なのでしょうか。
「あ、そうだ！昨日のお礼にでも一ついりますか？」
私の心配など分かるはずもなく、パンの山をゴソゴソし始めるジョンウ。
落ちそうになってるパンを手に取ってみると、
私の大好きなクロワッサンだ。
「じゃあ私これもらっていい？これ好物だから」
「それは駄目ですよ〜！僕も好きなんですそれ！」
「そうなの？じゃあしょうがないから譲ってあげるよ」
「そもそも僕のですよこれ」
結局クロワッサンは貰えず、その代わりにメロンパンをくれた。
「お礼なので！これのお礼とかいりませんからね！」
手を振る代わりに、パンを抱えた腕を揺らして、廊下を歩いていくジョンウ。
すごく注意深く、そろそろと歩いている後ろ姿を見て、つい笑ってしまった。
作者より
少し前の話を一つ非公開にしました。
そして、読んでくださってる方、本当にありがとうございます。更新が遅くてすみません！
続く (更新停止中)
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作者名：まこ | 作成日時：2023年4月5日 18時
