初めての後輩 ページ6
キーンコーンカーンコーン
やっと終わったー！
誰もいない静かな教室を見回すと、もう時計は5時。
帰る時に先生が、「誰か暇な人は後ろのプリント貼っといてねー」と言ったので、帰宅部の私がすることになったのだ。
鞄を持って靴箱へ向かう。
あー今日はなんか暇だなーと思いながら歩いていると、体育館の足音が聞こえてきた。
よし！久しぶりにバスケ部の見学するか！
バスケ部はドヨン先輩以外にもモテるイケメンがたくさんいるので、普段の練習でも女子達が練習を見学している。
そこに混ざれば簡単に練習を見れるから暇つぶしにはもってこいだ。
方向転換して体育館に向かうと背が高い男子の姿が見えた。
整った顔と髪が夕陽に照らされていて綺麗。
何となくそのまま見ていると、そっと体育館の中を覗いたり、かと思えば困った顔でその場を歩き回ったり、忙しそうに動いているその男子。
本人は困ってそうだけど、動きがちょっとおもしろい。
あ、面白がってる場合じゃないわ。
上靴を見ると今年入学した一年生だった。
どうしたんだろう？入部希望者かな？
困っている一年生がいたら先輩として助けないわけにはいかないよね！
体育館に入るために近づくと、その男子に分かりやすく気まずそうな顔をされる。
「あの私二年生なんだけど、なんか……大丈夫ですか？」
そう聞くと、シュン…と肩を落とす一年男子。制服についている名札を見るとキムジョンウとかいてある。
「あ、あのここってバスケ部ですよね…」
「うんそうだよ」
「僕バスケ部入りたくて来たんですけど……女子がたくさん見てるし練習始まってるから入りづらくて……」
「うーん、私もバスケ部見に来たから、一緒に入る？」
そう言うと、本当ですか？と嬉しそうに目を輝かせているキムジョンウ。
後輩って可愛いな…部活入ってないから永遠にできないと思ってたのに……
「キムジョンウっていうんだね名前」
「あ、はい！先輩のお名前は……パクA…」
「今呼び捨てした？笑」
「え！いや今のは名札を見て…」
「すみません冗談です」
一人じゃなくなったからか、ジョンウの表情が明るくなる。
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作者名：まこ | 作成日時：2023年4月5日 18時
