自己紹介 ページ5
新学期二日目
席に座っていると教室に入ってくるテイル先生。
健康観察を終えて
「今日は昨日できなかったので自己紹介をしてもらいます」
「ちなみに先生のことはもう皆さん知ってると思うので自己紹介しません」
当たり前のように言う先生に笑い声が上がる。
噂通りだ…でも正直、先生の自己紹介が一番聞きたかったかも。
そして席順に進んでいく自己紹介。
「好きな食べ物はエスカルゴです」
「僕は自転車と喋れます」
「明日世界が終わるならプリンを食べたいです」
…変なやつしかいない。
私は何を言おうかなと考えたけど、普通にいくことにした。
「パクAです。趣味は音楽を聞くことです。よろしくお願いします」
パチパチパチ
無事に終わって一安心すると、次は先輩の彼女さんの番。
「キムユジョンです。好きな食べ物は蕎麦です。よろしくお願いします」
絶妙に渋い……でも、ドヨン先輩が彼女とそば食べてるのを想像するととても似合う。いいなそれ。
クラスみんなの紹介が終わると、後ろで見ていたテイル先生が教室の前に出てくる。
「時間があまったのでやっぱり先生も自己紹介しようと思います」
また笑いが起こる。
マイペースだなあ〜テイル先生……
「ムンテイルといいます。えー趣味は料理です」
先生料理するんですかあー、と男子が聞くと、
「するよ〜先生も。最近はずっとサムギョプサルを作ってるんだけどなかなか奥が深くてね〜」
すごく真剣にサムギョプサルについて語り始めるテイル先生。
最初は料理というか豚肉を焼くだけじゃない？と思ったけど、
先生によると、焼くだけといっても口で言うほど簡単なものじゃない！らしい。
その後も目を輝かせながら、よく通る声で豚肉について語り続ける先生。
謎の笑いがこみ上げてきて少し俯くと、こっちを向いているジェヒョンと目が合った。
同じく肩が震えてるジェヒョン。なぜか得意げな顔をしている。
「何？」と口パクで聞くと
「面白いって言ったじゃん」と返ってきた。
「それでそんなにドヤ顔してんの」
「うん。なんかあのときは理解してなさそうだったから」
「あのときって去年？」
「そうそう。あのとき先生の話したじゃん」
こいつは自分がずっとツボっていたことを忘れてるらしい。
私がジェヒョンを見て笑っていると何笑ってんのと不思議な顔をされた。
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作者名：まこ | 作成日時：2023年4月5日 18時
