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YOU
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茨くんが意固地になっているのは、
なんとなくわかっていた。
関係ない、なんて言われて
腹も立った。
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でも、純粋にケガをしたということが
私はショックで。
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“これ”は、誰に対しても思っていたと思う。
“茨くんだから”、じゃない。
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ただ、心のどこかに
やっぱり“茨くんだから”、と感じることもあって。
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ほっぺに大きな絆創膏を張った
痛々しい姿を目の当たりにして、
すごく、悲しくなった。
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だけど、ここで
メソメソ泣くこともしたくなかった。
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私は、我慢していた。
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七「…………、」
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正面の茨くんは、唇を薄く開いたまま
何も言わなくなった。
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背中から眩しいくらいの夕陽が差していた。
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《 ガラッ… 》
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佐「おー、…お？」
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すると、スマホ片手に陣くんがやって来る。
私を一瞥しつつ、茨くんに言う。
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佐「待たせたな」
佐「緊急外来で手当してくれるところが見つかったから、今から行くぞ」
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バタバタと医務室に置いてある私物を
まとめ始める陣くん。
そんな陣くんに対し、茨くんは
小さく息を吐いて。
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七「承知いたしました」
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ボソッと聞こえた返事に
私は思わず、茨くんを凝視。
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チラリと目が合ったけど、
茨くんの視線はすぐに陣くんの方へ移される。
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七「ただ、病院へは自分ひとりで行きます」
七「佐賀美氏もお忙しい身、お手を煩わせては申し訳ございません」
佐「いや、お前さ、俺の役目ってのはな…？」
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ちょっと呆れた様子の陣くんを遮って。
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七「どうか、ご安心ください」
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七「この期に及んで、逃げようなどとは思いませんし、」
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七「“よくない”のなら、仕方がありませんよね」
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私に向かって、“あの”得意気な顔。
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うわ、むかつく。
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そう思った瞬間、不思議な“安心感”。
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ポロッと、目から“何か”が溢れる感覚があったから
私は慌てて顔を拭った。
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じまさき(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!そちらの方とあとはぷらいべったーでの更新も考えていますので、お待ちいただければ幸いです* (2022年11月12日 0時) (
レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - また私の我儘になってはしまうんですが、make love（？）の方も書いて頂けたらと思います！何度もすいません🙇♀️ (2022年10月11日 23時) (レス) @page47 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。完結後のその後のエピソードは書きたいなとは考えているので、実現させたいと思います…!貴重なご意見ありがとうございます* (2022年10月11日 23時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️このお話が完結したらこのお話の番外編みたいなのが読みたいなと思っています。私の我儘ですがじまさきさんがよければお話しを作っていただきたいです。 (2022年10月2日 0時) (レス) @page45 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じまさき | 作成日時：2022年6月12日 23時
