12時までのシンデレラ ~Makoto~ (ページ6)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,970 hit

5 ページ6

・

『…りっくん、、！』

陸さんに抱きつくAさんを見て

モヤモヤとした感情に包まれる。

陸「ごめん、慎。こいつ家連れてくから先帰るわ。」

慎「わかりました。お疲れ様です。」

陸さんに抱きついたAさんはきっと

僕の存在なんて気づいてなかった。

2人の間には何か特別なものがあって

僕に入る隙間なんてないんだ。

～～～～～～～

side.RIKU

久しぶりにAに会った。

幼い頃、隣の家に住んでいて

片時離れず一緒にいた。

幼稚園の頃、Aと公園でおままごとして遊んでいて、

"りっくん！いつか私と結婚してね！！"

と言われた。

この頃から僕はAに恋をしていた。

口約束ではあったが、僕は未だに忘れていない。

だが、Aの父親は気性が荒く、

母親はAが小学生になる頃に

旦那に対するストレスで自分から命を絶った。

その後、父親はいわゆる育児放棄というものをしたが、

血の繋がった家族である以上、必死でAは耐えた。

だが、父親は乱暴であるのには変わらず、

Aに手を出すようになってしまい、

次第に小学校も欠席が多くなり

とうとう僕の前から姿を消した。

いつのまにか居なくなってしまったAを必死に探した。

そんな僕の姿を見た僕の母が

「Aちゃんは遠くのおばあちゃんの家に

引っ越してしまったのよ。」

Aは自分の身の危険を感じ

祖母の家に逃げたのだった。

・