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決勝まで勝ち残る。
貴女「じゃあ、行ってきます」
父「うん」
沢北「頑張ってきてね」
貴女「はい！」
父「俺は一度あの子の世界を全否定してしまったんだ」
沢北「え？」
父「恥ずかしい話、あの子の戦う世界の話は全く分からない。A級と言われてどのくらい凄いのかも分かってあげられないんだ
初めてあの子が東日本の予選に出た時、試合を見に行ったのは親ではなくあの子の幼なじみ
今でも悔やんでるよ、どういう試合なのかも見てこなかったから」
沢北「その後って」
父「父親に言われたよ
自分の娘が全国で三本指に入るくらい強いのになぜ見に行かないって」
沢北「行ったんですよね？試合に」
父「その時は妻がね
俺はクイーン戦に出る時に行ったんだ
凄かったよ
あの袴はあの子のおじいちゃんが買ったものだ」
沢北「(Aちゃんのおじいちゃんは、Aちゃんをすごく応援してるんだ
だから袴も用意して)」
札が読まれて払ったのが見えた。
「篠宮A、今年のクイーン戦の最有力候補か」
「また束勝ちだろうな」
「天才っていいよな、始めて３年でA級で中学生でクイーンを負かす寸前まで追い詰めたんだぜ？」
沢北「Aちゃんは、天才じゃないですよね
死ぬほどかるたが大好きで、血のにじむような努力してるはず」
父「....」
《あ》
ﾊﾟｼｯ
《いみての》
彼女が送った札は
「瀬をはやみ」
あと２枚。
《み》
ﾊﾟｼｯ
《ちのくの》
相手のお手つきで残りが１枚となった。
《s》
ﾊﾟｼｯ
《びしさに》
貴女「ありがとうございました」
「すげぇ」
「今度は18枚差かよ」
「あの子には勝てんね」
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作者名：さくら | 作成日時：2023年3月11日 9時
