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逆らえない重たい空気。
「酔ってる?」
「酔うてるよ。やから見して」
「あの…」
「はよ」
たった一言に自由を奪われたように固まる私。
昨夜の罪悪感も私を支配して。
意を決して、触る自分の胸。
「俺やと思うてするんやで。
右手は全体を揉む────そうや。
左手は指で先っぽ探してみ」
「後ろから俺がしとる思うて」
催眠術にでもかかったかのように、従順に。
「もっと右強うして」
「…んっ」
抑えようとしても、声が漏れる。
「上手やん。ほな、服の中に手ぇ入れて、
同じことしよか」
「…ん、やぁっ」
「Aのやぁ、は気持ちええ時のやつやってわかっとる?」
羞恥を煽る忠義の言葉。
「…ちがっ」
「違わんて」
電話の向こう側でクスッと笑う声。
「上、脱いで。そやな、ブラも取ろか」
さっきまでの冷たい声ではなくて、
いつものように低く響く優しい声。
なのに、提案は酷く残酷で。
手は止まり、躊躇する。
「でけへんの?
なんかやましいことあるんちゃう?」
責めるような言葉だけど、
声は恐ろしく優しくて。
逆らえずに従い、脱ぐ。
何も身につけていない上半身が、
エアコンで冷やっとするのに、
顔は熱くて。
「右、今度は先っぽ擦って。
左はそやなぁ、下いこか」
忠義がいつもするように優しく指の腹で擦る。
焦れて、耐えられなくなるのが常で。
「…んんっ」
下はあひる座りで、
ショーツの上から指を当てていて。
恥ずかしくて仕方ないけど、
昨夜渋谷くんにこのベッドで…という背徳感も駆け上がって、気持ちはぐちゃぐちゃで。
「A、膝立ちしてくれへん?見えへんわ」
「や…」
「できひんの?もうええわ」
もうええわ、に終わりを感じて、安心して腰を落とす。
「そやな、もう脱いで三角座りしよか」
告げられた言葉に驚いて、スマホを見る。
忠義の瞳に光がなくて、
この行為にまだ終わりのないことだけはわかった。
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まこ(プロフ) - sangozygoさん» 大倉担のさんごさんに喜んで頂けているなら、本望です!手探りのクズ倉くんですが、今後もよろしくお願いいたしますw (2019年1月19日 18時) (レス) id: 665cb48fe5 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - わわわーーーーん!!クズ倉くん最高過ぎてたまりません!!!通知来る度に飛んで来て読んでます!! (2019年1月19日 15時) (レス) id: b426f69b31 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - randyeeeeeeeさん» 昨日、下書きの保存を間違ってかなりの時間に1話飛ばしたのを読んで頂いてしまったようだったので、そこ周辺まで一気に更新したんです(^_^; クソ倉くん、かなりクズですが、喜んでいただけてるならばこのまま突き進みますwコメント嬉しいです。ありがとうございます! (2019年1月19日 10時) (レス) id: 665cb48fe5 (このIDを非表示/違反報告)
randyeeeeeee(プロフ) - 返信いただき嬉しいですー!毎朝の日課になっていて、今日は1話じゃなかったのでご褒美もらった気分ですw!クソ倉くん…しっかりと反省したまえ(笑)と思いながらも乗り越えてー!と応援しちゃっていますw楽しみにしています。更新頑張ってください! (2019年1月19日 8時) (レス) id: a02fcd29a4 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - neko58910さん» ありがとうございます!考え出すと更新が止まりますw嬉しいコメントを頂いて、励みになります。間が空くかもしれないですが、これからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2019年1月19日 0時) (レス) id: 665cb48fe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこ | 作成日時:2018年11月5日 18時