氷の心56 ページ7
なんとか着替えることまでは出来た。
ただ、なんだか気持ちが悪い…。
ふらふらとした足取りで、廊下を歩いていく。
…あ、そういえば私、部屋を聞いてな…
「お、おいあんた！」
誰かの声が聞こえる中、私はもう限界で目の前が真っ暗になり、意識が途絶えた。
「A…、A！」
「おい鶴丸、落ち着け。まず、Aの肩を揺らすのはやめろ」
…誰かの、声がする…。
ゆっくりと目を開ければ、真っ先に白いものが目に映った。
「ん…？…目が覚めたか」
「…！A、俺だ！分かるか？」
ぼんやりとする頭の中、ゆっくりと整理していく。
ついでに体を起こそうとすれば、白い彼が手伝ってくれた。
…少しずつ鮮明になっていく記憶の中、彼の名前を呼ぼうと口を動かした。
「鶴丸…国永……」
そう呼べば、勢いよく抱きつかれ頭がズキリと痛んだ。
「おいおい、だからあまり衝撃を与えんなと…」
「えと…薬研さん…。…薬研さんが、私をここまで運んで…？」
「いいや、俺っちは運ばれてきたAを軽く看病しただけだぜ」
ならば一体誰が…と思っていると鶴丸が、山姥切だ。と一言。
「山姥切…さん…？」
「ああ。丁度倒れた時にいたらしくてな」
後でお礼を言っておくといい。と鶴丸に言われたものの、山姥切さんって、どんな人なのだろうかと頭をぐるぐるとさせた。
確か、倒れる前にうっすら見たような…。
だが何でか思い出せず、むしろずきずきと痛むばかり。どうやら今考えるのは無理そうだ。
「山姥切さん…、だね。わかった」
あとで探すとしよう。
「私の部屋って、そういえばどこ？」
「ここだ。だから君はこのままゆっくり休むといい」
ぽんぽんと優しく頭を撫でられ、何も考えたくない今では、すぐに眠気に襲われる。
「ま、鶴丸は今から説教だろうけどな」
「………A、一緒に今すぐ寝ないか？」
「え、えと…？」
真剣な顔でそんな事言われても、どう返せばいいかわからない。
ただえさえ頭がズキズキ痛む今は、困る質問をされるのはあまり嬉しくない。
「鶴丸、一応目覚めたものの倒れているんだ。あまり余計なことを考えさせるなよ」
薬研さんはしっかり者の上に、よく理解出来ててすごく助かる。
「あー…すまない。…今から説教か…。随分と慣れてきたけどな」
「鶴丸、それは言っちゃいけねぇ」
ははっと笑う鶴丸に、呆れるしかない。
とりあえず私は休ませてもらうことにした。
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サクラ - 読んででドキドキしてます、これからも続き頑張ってください！！ (2018年2月1日 0時) (
レス) id: 067143477a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - エビ天さん» コメントありがとうございます！超のんびり更新ですが、どうぞ、よろしくお願い致します！m(*_ _)m (2017年12月20日 15時) (レス) id: 48ef121c23 (このIDを非表示/違反報告)
エビ天 - 胸がギュンギュンします。続き楽しみにしてるので、無理せず頑張ってください！！応援してます！ (2017年12月11日 21時) (レス) id: 1626bb5d4f (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 鞠さん» コメントありがとうございます！愛読して下さっているようで、感謝しかございません。 色々と事情で更新が遅いですが、どうぞ、よろしくお願いします！^^ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているなら、とても光栄です。色々と事情で更新が遅く、大変ご迷惑をかけますがよろしくお願いします！ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
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