氷の心74 ページ26
…はずだった。
「み、三日月さん…？」
しっかりと掴まれた腕によって私はその場を逃れることができない。
その当の本人はニコニコ笑顔だ。
「え…えーーと…」
「まだ温まっておらんだろう？俺たちのことは気にせず、まだ浸かるといい」
「い、いや、でも…」
ぐっ、ぐっと掴まれている手を振り払おうとするものの、意外と強い力で掴まれておりビクともしない。
な、なんて力で引き止めるんだよぉぉ！！
きっとこれはYESしか聞き入れてくれないのだろう。
私は助けを求めるためにちらりと鶴丸を見れば、さっと目をそらされる。
こういう時こそ助けてくれるんじゃないの！？
私はもう呆れて、わかりました。わかりましたから手を離して…と渋々頷いた。
再度湯船に逆戻り。
長風呂は得意なためまだまだいける。
…と、油断していたらきっとまた逆上せて倒れるのだろう。
「…はぁ」
「うん？ため息をついてどうかしたのか？」
それは貴方のせいだとわかって聞いているのかと言いたいくらいだ。だがそんな衝動を抑えて、ううん、なんでもないと答えた。
「俺が引き止めたくせに言うことじゃないが、A、逆上せる前に上がるんだぞ」
「ほんっとうに、その通りだよね！」
もう笑いがこみ上げてきそうだよ！！
主犯は三日月さんだとしても、目をそらして助けなかった鶴丸も共犯だ。
「しかしまあ、こういう裸の付き合い？というのもいいのだろう？」
「男女の裸の付き合いはないけどね？いろいろダメだと思うな」
そうなのか？と首を傾げられる。
そうだよ！
というか、いつから私、ツッコミ担当になったんだろう…と思っていると、つんつん、と頬を突かれた。
「ん、…なに？」
「頬がすべすべのぷにぷにだな！良い良い」
「おい三日月、言い方が変態っぽいぞ」
黙っていた鶴丸も、三日月さんが私に対してちょっかいを出し始めたら食いついてきた。
だが三日月さんは気にした様子もなく、鶴丸も触ってみたらわかるぞ！ぷにぷにだぞ！と嬉々とした表情で伝えてくる。
勝手に触っていいなんて言ってないんだけどな！
というか、君たちのような美形の肌ほうがすべすべのぷにぷにだと思うけど…と考えていると、また反対の方から突かれた。
次は鶴丸だ。
「鶴丸〜…？」
「…あ！す、すまん！」
あまりにも三日月がぷにぷにとかいうから、つい…とまで言って、逃げるように口元までお湯に浸かった鶴丸。
「…いいよ、別に」
そう言って私は一つため息をついた。
続く (更新停止中)
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サクラ - 読んででドキドキしてます、これからも続き頑張ってください！！ (2018年2月1日 0時) (
レス) id: 067143477a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - エビ天さん» コメントありがとうございます！超のんびり更新ですが、どうぞ、よろしくお願い致します！m(*_ _)m (2017年12月20日 15時) (レス) id: 48ef121c23 (このIDを非表示/違反報告)
エビ天 - 胸がギュンギュンします。続き楽しみにしてるので、無理せず頑張ってください！！応援してます！ (2017年12月11日 21時) (レス) id: 1626bb5d4f (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 鞠さん» コメントありがとうございます！愛読して下さっているようで、感謝しかございません。 色々と事情で更新が遅いですが、どうぞ、よろしくお願いします！^^ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているなら、とても光栄です。色々と事情で更新が遅く、大変ご迷惑をかけますがよろしくお願いします！ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
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