氷の心71 ページ23
「毎回毎回見つけるのが早いね…__鶴丸？」
「こんなにしっかりと守りが付いていれば、Aも安心だな」
そう言って、タイミングよく現れたのが面白かったのか愉快に笑う三日月さん。
いやいや、守りを通り越して私にとっては恐怖になりかねないのだが？
「ところで、何かあったの？」
すると、鶴丸はあっ！とした顔をした。
「いや、あのな…」
「なに、早く要件を言って？」
すると、ぼそぼそと呟くような声で何かを言っていたが、小さすぎて聞き取れなかった。
もう一回言ってほしいと言う前に、三日月さんが言葉を発した。
「Aがいつの間にか居なくなって探してきた、ってところだろう？」
「用はなしってこと？」
念のため尋ねれば、そうだろうなと三日月さんは答える。
嘘でしょ？お母さんがいきなり視界から居なくなって、ママ、どこ？って探す子どもと変わらないじゃないか。
案外鶴丸は寂しがりやなのだろうか。
そう思うと、少し可愛く思えた。
「あ"ー！そんなことより！なぜまた君は三日月と居るんだ…！」
あ、やっぱり私を探してたって言うより、三日月さんを探してた感じか。
そりゃそうだよねと私は苦笑いを浮かべる。
「ごめん、鶴丸！三日月さんが私なんかを誘ってくれて、その上光忠さん達に行っておいでとまで言われたら断れなくて…！」
自分の顔の前に手を合わせて、頭を少し下げて謝る。
だが、鶴丸はそんなことで許してくれるはずはない。
「大体君は、そんなんだから色んな奴らに…」
「だ、だから、あとは二人でお茶するといいよ！」
「はぁ！？」
お説教モードに入る前に私は切り抜けていく。
おい、ちょっと待て！！と、鶴丸は二人っきりになるのに照れているのか、必死に私を呼び止めようとするが、走って逃げる。
「み、三日月さん、お茶美味しかったよー！」
「それは良かった。では、また誘おう〜」
「いや、だから待てって…！！」
走ってお礼を言えば、ほけほけと三日月さんも返事を返してくれたので、あとはなにも振り返ることなく走り切った。
…今頃、二人は楽しんでいるだろうか。
なんとか振り切った私は、自室でぼんやりとそんなことを考えた。
いいことをしたな！と自慢気に一人頷く。
「Aちゃん、居る？」
襖越しに玲香さんの声が聞こえ、急いで襖を開ける。
どうやらお風呂があいたらしいから、使っておいでとの報告。私は分かりました！と頷き、いそいそとお風呂場へと向かった。
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サクラ - 読んででドキドキしてます、これからも続き頑張ってください！！ (2018年2月1日 0時) (
レス) id: 067143477a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - エビ天さん» コメントありがとうございます！超のんびり更新ですが、どうぞ、よろしくお願い致します！m(*_ _)m (2017年12月20日 15時) (レス) id: 48ef121c23 (このIDを非表示/違反報告)
エビ天 - 胸がギュンギュンします。続き楽しみにしてるので、無理せず頑張ってください！！応援してます！ (2017年12月11日 21時) (レス) id: 1626bb5d4f (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 鞠さん» コメントありがとうございます！愛読して下さっているようで、感謝しかございません。 色々と事情で更新が遅いですが、どうぞ、よろしくお願いします！^^ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているなら、とても光栄です。色々と事情で更新が遅く、大変ご迷惑をかけますがよろしくお願いします！ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
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