氷の心51 ページ3
「A？」
「はえあ…！！？」
いきなり声をかけられて変な声がでる。
きょとんとした顔から、大笑いする鶴丸。いつもの事だ。
「いきなり声をかけるから…っ！」
「ふ、くくっ…！い、いやぁ、君が熱心に俺を見つめるからな…ふふっ」
「笑いながら言わないでよ！」
恥ずかしくて死にそうだ。
小さく震えながら、下を向く。
「おっと…、忘れるところだった」
そう言ってごそごそと懐を漁る鶴丸。すると、小さく包まれた何か。
「これは…？」
「君が見ていた櫛だ。今日の記念、というやつだな！」
貰ってくれるか？と差し出す。
「うん。…ありがとう。大切に使うね」
鶴丸の手の中から小さな包を受け取る。
安心したのか、鶴丸は安堵の笑顔を浮かべた。
「さぁて、随分と笑わかせてもらったし、そろそろ帰るか」
夕食の時間になりそうだからな。と手を差し出す。繋げ、という意味なのだろうかと、恐る恐る手を掴んだ。すると正解なのか、満足気な鶴丸。
「じゃ、本丸へ帰還だー！」
「ふふ、なにそれ」
本当に、最後まで楽しませてくれる鶴丸に、もう笑顔が消えない。
優しく繋がれた手のひらや心が暖かく感じるのは、きっと気のせいじゃないと思いたい。
「…さて、理由を問いましょうか」
ひしひしと伝わる黒いオーラに怯えるしかない二人。ゲート前には仁王立ちした玲香さんと三日月さんに一期さん。
ああ、これは何だか嫌な予感がしそうだ。
「まあまあ主や。Aはきっと悪くない。主に報告もせず出かけたのは、あやつが無理やり連れ去ったのだろう」
そう三日月さんは言う。
まぁ、あっている、合っているんだけれども、楽しんで時間を忘れていた私もダメなんじゃないだろうか…？
「そうなの？」
「まぁ、成り行きはそうですけれど…」
「なら、説教は鶴丸だけね！」
と、いい笑顔の玲香さん。口は笑っているのに、目が笑っていない。正直いって、怖すぎる。
「で、ですが、時間を忘れて夕食前まで出かけて…」
「ああ、帰る時間は夕食までに間に合えばいいのよ？怒っているのは、報告がなかったことよ」
そう言って鶴丸を見つめる。
冷や汗だらだらの鶴丸。
「そんなに私の説教が好きなのかしら、鶴丸国永さん？」
あんな綺麗な人に、あんなどす黒いオーラでフルネームなんて耐えられたもんじゃない。
「さて、Aは俺と先に戻ろうか」
これ以上は見せれぬ、と言わんばかりに三日月さんに腕を引かれ、その場を離された。
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サクラ - 読んででドキドキしてます、これからも続き頑張ってください！！ (2018年2月1日 0時) (
レス) id: 067143477a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - エビ天さん» コメントありがとうございます！超のんびり更新ですが、どうぞ、よろしくお願い致します！m(*_ _)m (2017年12月20日 15時) (レス) id: 48ef121c23 (このIDを非表示/違反報告)
エビ天 - 胸がギュンギュンします。続き楽しみにしてるので、無理せず頑張ってください！！応援してます！ (2017年12月11日 21時) (レス) id: 1626bb5d4f (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 鞠さん» コメントありがとうございます！愛読して下さっているようで、感謝しかございません。 色々と事情で更新が遅いですが、どうぞ、よろしくお願いします！^^ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているなら、とても光栄です。色々と事情で更新が遅く、大変ご迷惑をかけますがよろしくお願いします！ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
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