氷の心65 ページ17
「……A」
説明しろと言わんばかりに名前を呼ばれる。
「あ…えっと…。
ひ、人混みに飲まれそうになって、助けてもらったから…かな」
「え、また飲み込まれそうだったの！？ご、ごめんなさいね、気づかなくて…」
いちばん驚いたのは玲香さん。
その後に続いた、次からは鎖でも繋いで行くべきかしら…なんて言った言葉はぎょっとした。
「え、嘘ですよね？」
「あ、ごめんなさい、今のは嘘よ。でも、次からは私の服の裾や腕にでも掴んでもらうのがいいかもしれないわ」
うーんと考える玲香さんに、その前に巻き込まれないよう善処しますと言っておいた。
すると、掴まれていた肩にぎゅっと更に強く掴まれたのを感じる。
「……迷子になったのか」
「い、いや、迷子になんてなって………」
ない…と言いたいところだが、なっていた自分をふと思い出し、言葉が詰まる。そして、じっと見つめられる鶴丸の視線から目をそらすために下を向いた。
「…なって？」
「………ました…。スミマセン…」
すると大きなため息。
「全く君は、どれだけ無防備なんだ！どうせ君のことだ。見慣れない景色に圧倒されて気がついたら置いて行かれてしまったんだろう？」
「おっしゃる通りです…」
何も言えなくて鶴丸の顔を見れない。
「それに、三日月にまで腕を掴まれて…」
「すみません…」
鶴丸の怒りをを少しでも早く冷ますために、私はもう謝ることしか出来ない。
後ろからこそこそと、お熱いわね、こんなに毎回毎回だと見慣れた景色になってきてますな、などという声が耳に届く。
いやいや、皆さん誤解してます。
怒ってるのはきっと私が無防備すぎて、大好きな三日月さんに私なんかが腕を掴まれているから怒ってるんです。絶対そうなんです。
俺も掴まれたいのにってきっと言えないけど怒っているんです。
だから、三日月に腕を掴まれてと、そこだけ異常なほど繰り返すんですよ！！
…なんて言えるわけもなく、私はすみません、ごめんなさい…と謝った。
なんとかその後落ち着いてきた鶴丸さん。
掴まれていた腕も三日月さんはいつの間にか離していた。
「…さて、演練疲れたでしょう？少し休んでから食事にしましょ」
「分かりました」
ぺこりと頭を下げて、私はとりあえず自室に戻らせてもらった。
…鶴丸も何故かついてきたけれども。
「……はぁ…。疲れた〜…久々に人に酔った気がする…」
ごろんと横になれば、呆れたようにため息を吐いて、その横に鶴丸も座った。
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サクラ - 読んででドキドキしてます、これからも続き頑張ってください！！ (2018年2月1日 0時) (
レス) id: 067143477a (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - エビ天さん» コメントありがとうございます！超のんびり更新ですが、どうぞ、よろしくお願い致します！m(*_ _)m (2017年12月20日 15時) (レス) id: 48ef121c23 (このIDを非表示/違反報告)
エビ天 - 胸がギュンギュンします。続き楽しみにしてるので、無理せず頑張ってください！！応援してます！ (2017年12月11日 21時) (レス) id: 1626bb5d4f (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 鞠さん» コメントありがとうございます！愛読して下さっているようで、感謝しかございません。 色々と事情で更新が遅いですが、どうぞ、よろしくお願いします！^^ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているなら、とても光栄です。色々と事情で更新が遅く、大変ご迷惑をかけますがよろしくお願いします！ (2017年10月4日 18時) (レス) id: 3d2471f204 (このIDを非表示/違反報告)
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