きゅううううう ページ9
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次いで触れた唇の柔らかい感触に、キスをされているんだと理解して目を閉じる。触れるだけの優しいキスだったそれはどんどん深いものになっていって、苦しくなってきた俺が祐吾の胸板を軽く叩いたことによって終わりを告げた。
「……するよ?」
トサッという音が耳元で聞こえる。ベッドに押し倒され手を拘束された状態になった俺は、肯定の意を込めて小さく首を縦に振った。
「ありがと。」
笑みを浮かべた後一気に真剣な顔になった。普通の女子だったらこのギャップにやられるんだろうなぁ、なんて。
そんな俺の考えを祐吾は知るよしもなく、少し冷たい手がお腹回りを這ってきた。
ツゥーっと上に上がってきて、胸辺りに到着するのと同時にキスをされる。自分自身が下の立場を体験したことがないため、今までの女の子のように少し頬を赤らめて声を洩らさないようにキュッと口を結んだ。
なんとか自我を保って感じているフリをする。大して気持ちよくもなくて『まぁ男だからそんなもんか』と思っていたが、胸の突起を強く弾かれたことにより思わず「ん?!」と素の声が出てしまった。
なんだか変な感じがしてくる。痛いハズなのにお腹の中が疼くような感じでさっき食べた晩ごはんが戻ってきそうだ。
「なん、かそれ、変に、なる……」
止めてもらおうと言葉にしたら、祐吾は嬉しそうな顔をした。なんでやねん。そういうプレイだったら他所でしてください。
「そっか」
嬉しそうなままそう言って、情熱的なキスを寄越してきた。やり返そうと思ったが俺の上半身で動き回る手に全神経が集中してしまって、口を閉じることも出来ずされるがまま。
手は相も変わらず拘束されたままで、抵抗しようにもまるで力が入らない。これがハニトラだったら殺されてたかも。
「椎、かわいいね」
動き回る手にいちいち反応しているからか、優しい微笑みで囁かれた。あぁ、それ俺も女の子に言ったことある。まさか言われる日が来るなんて、人生何があるか分からないもんだな。
とりあえず照れたように顔を赤くすれば、大満足そうな笑顔でニッコリと笑った。
「祐吾、も、笑う、顔、かわい、い……」
途切れ途切れになる言葉を微笑みつつ返せば『かわいすぎ』なんて耳元で囁かれた。思わず背筋がゾクッとする。それを見逃さなかった祐吾は今度、耳を甘噛みしてきた。
電撃が流れたように背中が反れた。
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玲 - 凄く好みな小説です!!!更新お待ちしてます。 (2019年4月29日 0時) (レス) id: 19d3cc11d5 (このIDを非表示/違反報告)
花籠(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!私得すぎる設定っ!!!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年4月28日 15時) (レス) id: 270ba45bd9 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - 心臓持たなそう。発作起きる。中破撃沈寸前。読みきれば、大破炎上で撃沈///△/// (2018年7月16日 7時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
まこふあ(プロフ) - 結衣さん» コメントありがとうございます!今のところ特に受け攻めはないですが、最終的には降谷さん攻めにするかなーと思ってます!ありがとうございました!! (2018年7月15日 19時) (レス) id: f9ad2e5a55 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - どっちが攻めですか? (2018年7月15日 8時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこふあ | 作成日時:2018年6月25日 17時