にじゅーいちち ページ21
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「早いね、まだ十分前だよ?」
絶対にいないだろうと油断して開けた扉の向こうには、いつもの定位置にドカっと座ったジンがいた。今回はウォッカも隣に立っている。
「この前俺より遅かったから、十分前には来ると思ってな」
そんな理由で十分前に来るのが意外過ぎて目を見開いてしまった。ギリギリ声は出なかった、セーフ。
それに今回も不機嫌な素振りはないし、きっとバレたわけではないだろう。だったらまた任務か。人を殺すのは嫌だな。ハニトラも情報収集も嫌だな。俺と話しに来ただけとかそういう理由だったら可愛いし楽なのに。
「まぁいい。バーボンの方は順調か」
「ボチボチって感じ。今は情報を集めて話しかける話題と隙を探してる。……話はそれだけ?」
本当に話だけをしに来た説あるか?!ワンチャンある。俺のハニトラ(した覚えないけど)にかかってくれたのか?顔がタイプでしたとか?そんな内容だったらもうジンに惚れそう。好きって反射的に言っちゃうかも。
「違う。ボスからの命令だ」
まあそうですよね。ありえなさ過ぎますよね、いやでもちょっとくらい期待に答えてくれても良いじゃないか。俺がこんなこと考えてるなんて微塵も思ってないだろうけど、そこはほら、予知能力というかね!そういうのでね!!
「その前にいつもの所行くぞ」
いつもの所とはジンが通っているバーのことで、お酒の種類が俺が行ったことあるバーの中で一番豊富な所だ。今まで何度か連れて行ってもらったことがあるけど、どのお酒を飲んでも美味しくてまんまと酔いつぶれたのを覚えている。NOCとか俺の立場とかの機密情報を漏らすことはなかったけど、フラフラして気づいたら自分の家にいて二日酔いが酷かったのはもう自分への戒めとしてきっと忘れることはない。
「俺車で来ちゃったけど大丈夫?」
「問題ない。その為のウォッカだ」
その為のウォッカって言い方めっちゃ可哀想なんだけど。それに俺明日バーボンにハニトラを仕掛けることを降谷さんに伝えて、色々と設定を決めてから高井の方に顔出さなきゃいけないっていう大事な大事な用事があるんだけど大丈夫かな。
さすがに前のように酔いはしないけどジンにたくさん飲まされる可能性もあるし、十時間寝たとはいえその前の徹夜期間が長すぎて、まだ全然眠くて体調も優れないから速攻酔ってしまうかもしれない。
「酔ったらごめんね」
「撃って覚ましてやろうか?」
「いやそれ死んじゃうやつ」
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玲 - 凄く好みな小説です!!!更新お待ちしてます。 (2019年4月29日 0時) (レス) id: 19d3cc11d5 (このIDを非表示/違反報告)
花籠(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!私得すぎる設定っ!!!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年4月28日 15時) (レス) id: 270ba45bd9 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - 心臓持たなそう。発作起きる。中破撃沈寸前。読みきれば、大破炎上で撃沈///△/// (2018年7月16日 7時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
まこふあ(プロフ) - 結衣さん» コメントありがとうございます!今のところ特に受け攻めはないですが、最終的には降谷さん攻めにするかなーと思ってます!ありがとうございました!! (2018年7月15日 19時) (レス) id: f9ad2e5a55 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - どっちが攻めですか? (2018年7月15日 8時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこふあ | 作成日時:2018年6月25日 17時