ににににににに ページ2
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「隈、見えてるぞ。その濃さは徹夜1日目じゃつかないだろ。本当は何日目なんだ?」
「やだなぁ、降谷さん。俺が降谷さんに嘘をつくわけないじゃないですか。俺元から隈が出来やすい体質なんですよ」
「前の3徹目よりも酷い顔をしているが?コンシーラーで隠したところで俺にはバレバレだ。」
そして付け加えるように『真面目に答えろよ』と発した降谷さんのその目を見て、俺には拒否権がないのだと理解する他なかった。
「3徹目です。さっきは嘘ついてすみません」
観念した風に謝ったにも関わらず、降谷さんは依然として難しい顔をしている。なんで嘘だってバレるんだろう。俺そこまで顔に出やすいタイプじゃないのに。
「つまらない嘘はつかなくていい。真面目に答えろと言ったはずだぞ」
いつになく怖い顔をした降谷さんには悪いけど、嘘をつくことは止めないでおく。7徹とか言った暁にはもれなく降谷さんの説教コースまっしぐらだ。
「……4です」
「ほぅ、この期に及んでまだ嘘をつくか。上司に向かってそんなに嘘をつくということは、少なくとも5は越えているな。……7、か?」
ドキリと心臓の音が聞こえた。微かに表情が動いた気がする。それをあの上司が見逃すハズがなかった。
「なるほど、7徹目か」
冷や汗が体中から吹き出てくる。下手したら潜入捜査をしているとき以上かもしれない。
バレてしまっては仕方がない。嘘をつくのも降谷さんと目を合わすのも怖い今、俺が出来ることは黙って目を合わせないようにすることぐらいだ。
「A、ちょっとこっち向け」
絶対に嫌だ。向いたら叱られるどころじゃ済まないと俺の体が危険信号を発している。
が、上司の言葉を聞かないほうがもっと怒られると踏んだ俺の頭は、重い重い首を上に上げさせた。
顔を上げるとにっこりと笑った降谷さんの姿。終わったと悟った。
「俺は別に、休まないことが悪いことだとは思っていない。だが、休むことが悪いことだと教えた覚えもない。」
「……はい」
「休めるときに休まないと、いざというときに力が出ない。最悪死ぬぞ」
脅すように言ったわけではない。けど、遠い目をして悲痛な顔をしている降谷さんのその姿を見てなお仕事を続けられるほど俺は図太くもなかった。
「すみませんでした。少し仮眠室に行ってきます」
「あぁ。ゆっくり休め」
降谷さんと話していたら集中の糸が切れたのか、仮眠室に着くころには7徹分の疲れがどっと押し寄せそのまま寝てしまった。
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玲 - 凄く好みな小説です!!!更新お待ちしてます。 (2019年4月29日 0時) (レス) id: 19d3cc11d5 (このIDを非表示/違反報告)
花籠(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!私得すぎる設定っ!!!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年4月28日 15時) (レス) id: 270ba45bd9 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - 心臓持たなそう。発作起きる。中破撃沈寸前。読みきれば、大破炎上で撃沈///△/// (2018年7月16日 7時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
まこふあ(プロフ) - 結衣さん» コメントありがとうございます!今のところ特に受け攻めはないですが、最終的には降谷さん攻めにするかなーと思ってます!ありがとうございました!! (2018年7月15日 19時) (レス) id: f9ad2e5a55 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - どっちが攻めですか? (2018年7月15日 8時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこふあ | 作成日時:2018年6月25日 17時