隣の坂田君はどうやら私の事が好きらしい【あほの坂田】

平均的……？ ページ7

私は、平々凡々である。

漫画で言うと、モブキャラのような存在。

だから、学力も平均的なはずである。

そう、平均的なはずなのだ。

「わっ、チェックばっかりやな」

聞き覚えのある声がして反射的に答案用紙を破る。

「あ、」

これはヤバイ。

馬鹿なの知られた。

「……Aちゃん、意外。勉強、苦手やったんだ」

にひひっ、と声に出して坂田くんは笑った。

「馬鹿にしないでっ」

破った答案用紙をぐちゃぐちゃに丸めてカバンに突っ込む。

「あ、教えたろか」

唇をとんがらせて問う。

「何点、だったの」

「今配られた数学は75点やった」

「……平均的じゃん」

てっきり、見た目に反してものすごく頭がいいとか、そんな感じかと思った。

そう言うと、坂田くんは苦笑してから言う。

「Aちゃんよりはええやろ？」

確かに……。

でも、坂田くんだけっていうのも不安。

「……二人きりは、いや？」

「えっ、いやじゃ……」

ない。

って、言おうとした？
私。

「いや！！」

これが本音。

そうだよね。

「うっ、そっかあ。じゃ、浦さんとかも誘ってみる。」

浦さん……。
だれ……。

「……Aちゃん、教える代わりに、僕のお願い聞いてね」

「え、だったらいい。勉強教えてもらわなくても。」

「Aちゃん！！」

手をぎゅっと握ってくる。

「約束！！」

「うぇ、うん……」

断れなかった……。


続く

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