玄鳥の段*10 ページ10
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「_____って訳で、明日のはすばると亮で行って来てほしい」
「ん……分かった」
夕焼けの光が差し込む中、裕とすばるは一枚の紙を覗き込んでいた。
その紙______依頼書には、墨でつらつらと文章が書かれていた。
「……なんや、なんか問題でもあるんか?」
「ん……いや、まだ分からん」
「気になるんか、なんか」
「まぁ、な……」
「とりあえず、明日は任せるわ」
「ん、分かった」
ふう、と煙管を吸いながらすばるは頷いた。
「ま、気にする必要なんて無いけどな」
「すばるらしいな」
ぷはぁ、と口から煙を吐き出したすばるに、裕は笑いかけた。
「もう戻ることなんて出来ないんやから、俺もあいつも、みんな」
「大人やな、お前は……」
「なんやねん、それ」
くく、と笑いを噛み締めながらすばるは裕の部屋を出た。
「______もう戻れない、か」
かたりと音を立てて閉まった障子の方を眺めながら、裕は呟いた。
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Keri(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵な作品で大好きです。また、はじめから読み返させてもらいます。 (2016年1月28日 22時) (レス) id: 65c916d16e (このIDを非表示/違反報告)
やすばひな。 - 完結おめでとうございます。難しい時代背景やのに情景も浮かぶし、すんなり感情移入も出来る、大好きな作品です。また繰り返し読みたいと思います。 (2016年1月23日 23時) (レス) id: 31cf3cce79 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - お久しぶりです。以前8UPPERSさんの方でコメントさせていただいた者です。完結おめでとうございます!このお話もドキドキしながら読ませて頂いてました。個人的には菫の段からのお話がお気に入りです。本当に面白かったです!素敵な作品をありがとうございました! (2016年1月23日 22時) (レス) id: 16a9d30ece (このIDを非表示/違反報告)
∞りぃ∞ - こんばんは このお話めっちゃ好きです!∞uppersが好きなのでいつも楽しみにしています!更新大変かも知れませんが応援してるので頑張ってください! (2015年9月14日 22時) (レス) id: 5cc4a3dd51 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞橙青eighter∞さん» コメントありがとうございます! 中々更新できておらず、申し訳ないです…なんとかペースを上げていけたらと思っていますので、よろしくお願いします! (2015年9月10日 22時) (レス) id: 4ec3ff7e45 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2014年5月6日 20時