宣誓ネックレス ページ38
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「_____ちぇりぃ、帰ろお」
「……ベル?」
腫れて開きにくい左目を動かして、チェリーの視界がベルガモの姿を捉えた。
「また喧嘩してたん?」
「へっ、チンピラの癖に調子乗ってたからや」
ペッと口の中に溜まった血と唾液をコンクリートの上に吐き出して、チェリーは立ち上がった……が、フラついて地面に倒れ込んでしまう。
「もお、俺来んかったらどうするん?」
よいしょ、と呟いて、倒れ込んでチェリーの腕を自分の肩に回してベルガモはチェリーを立ち上がれせ、歩き始めた。
「そんなん、考えたこと無いわ」
「何それぇ」
独特の間を取りながら、ベルガモはヘラヘラと笑ってチェリーの答えに相槌を打つ。
「あ、そういえばニョッキから伝言やで? 死人は絶対出すなー、やって」
「なんじゃそりゃ。これセンソーやで? 死人出ても可笑しないやんか」
「でもニョッキはそれを許さないらしいで。煙突クンが俺に伝えに来たし」
「煙突……あぁ、チムニーか」
げほ、と大きく咳をして、また血を吐き捨てて、チェリーは顔を顰めた。
「煙突クン、今じゃニョッキの右腕やもんな」
ニコニコと何処か困ったような笑みを浮かべているベルガモの顔をちらりと見て、チェリーはバツが悪そうな表情をして低い声を出した。
「結局、彼奴はチムニーに“依存”することを選んだだけや……俺らがニョッキに依存するみたいにな」
「せやねぇ……」
「俺らはニョッキに忠誠を誓う……ただそれだけや」
ちゃりん。
「……何? これ」
チェリーがポケットから取り出したものをベルガモに差し出した。
「お前にくれてやるよ、ベル。俺らが組むしか無いみたいやしさ」
「……ありがとお、“相方”サン」
へらりとまた何を考えているのか分からない笑顔を浮かべて、ベルガモはチェリーが差し出したものを受け取った。
『宣誓ネックレス』
僕の理想郷→←Io vivrò e proteggerò tuo indietro.
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未優(プロフ) - すばちぱさん» 了解しました!リクエストありがとうございます!暫くお待ちください! (2014年12月18日 16時) (レス) id: 22444c6320 (このIDを非表示/違反報告)
∞スカーレット∞(プロフ) - 全然大丈夫ですよ!リクエストに答えて頂きありがとうございました!本当に面白かったです。またリクエストさせていただくかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。今回は本当にありがとうございました! (2014年12月15日 23時) (レス) id: 7e06ecfed7 (このIDを非表示/違反報告)
すばちぱ(プロフ) - こんばんは!リクエストさせていただいてもいいでしょうか?何かトッポの話をお願いしたいです!未優さんの作品はいつも楽しみに読ませていただいてます!これからも応援してます^^ (2014年12月15日 22時) (レス) id: 1e20470832 (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - 來さん» お久しぶりです(笑)作者の別作品の雨のち晴れの編集やら頂いたリクエストやらの編集やらベースの練習やらしておりましたら、いつの間にか時が過ぎておりました…^^;もう少々お待ち頂けたら嬉しいです! (2014年12月14日 18時) (レス) id: 22444c6320 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - おひさしぶりです。最近更新されてないのでどうされたのでしょうか? (2014年12月12日 19時) (レス) id: 8834ece22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未優 | 作成日時:2014年11月22日 20時