遠い、永おい ページ6
．
「___何が面白いんやろ」
白い縁の中に型取られた小さな世界を眺めながら、トッポは静かに呟いた。
こどもの家に住む数人の子供達が、外できゃっきゃと笑顔を見せて騒ぎながら、芝生の上を走り回る。
その姿を度数の入っていない、所謂伊達眼鏡のレンズと窓越しに見つめるトッポは眉を顰めた。
何もないただの芝生の上で、鬼ごっこをしているのか分からないけれど笑う彼らは一体、何が楽しくて笑っているのか。
「……よう分からん」
どうして彼らは笑うのか。何が彼らを笑わしているのか。それがトッポには分からなかった。
幼い頃から人と関わるのが苦手で、常にジャッキーと共に行動してきたトッポだったが、トッポが成長するにつれてジャッキーもまた、年を重ねていく。
気がつけばトッポは小学生になり、ジャッキーは中学生になっていた。
そしてジャッキーが中学に上がってから、トッポは段々と彼との距離が遠くなる様に感じ、ヒトリになる時間が増えていた。
相変わらずジャッキーとは同室だし、夕食の時間になればジャッキーはこどもの家に帰って来るのだが。
物理的な距離よりも、ジャッキーとトッポの精神的な距離がずっと遠くなった気がして、トッポは1人混乱していた。
トッポにとってジャッキーは兄であり、母であり、センセイであり、家族だった。共に生まれてからすぐにこどもの家へ入所し、親の顔を知らない同士。
彼はどんどん“大人”へとなっている。
それなのに変わらない自分。変われない自分。変わろうとしない自分がもどかしかった。
元々感情表現を得意としないトッポには、どうすればいいのかを聞くこともできず、ただふたつのフィルター越しに見える外の景色を眺めることしかできない。
「誰なら、教えてくれるんやろ」
遠くなる距離よりも、
変われない自分、変わらない自分、変わろうとしない自分。
それが一番、嫌だった。
『遠い、永おい』
befor lost you→←BABY...you are my shine.
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れな - ありがとうございます！ (2015年3月12日 0時) (
レス) id: 7e221f6965 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - リクエストのお話ありがとうございました。お礼が遅くなりすみません。トッポを心配でするメンバーがよかったです。エースとトッポのコンビが好きなのでいつか、2人のお話もまた読めたら嬉しいです。これからも楽しみにしてます。 (2015年3月11日 22時) (レス) id: 84ad1a8f3e (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - れなさん» リクエストありがとうございます！ひとつ目の方ですが、同様のリクエストを他の方からも頂いているのでそちらと合体させていただきます。ふたつ目の方も書かせていただきますのでよろしくお願い致します！ (2015年3月11日 21時) (レス) id: 4ec3ff7e45 (このIDを非表示/違反報告)
れな - あと、アーセナルが拉致されちゃって、皆で助けにいく的なのがみたいです！ 何度もすみません！ (2015年3月10日 0時) (レス) id: 7e221f6965 (このIDを非表示/違反報告)
れな - リクエストです！ トッポが何かしら無茶をして、怪我をしてしまって、ジャッキーが説教したらトッポが泣いちゃったっていうのがみたいです！笑 それで、ジャッキーが少し焦っちゃう的な笑 よろしくお願いします！ (2015年3月10日 0時) (レス) id: 7e221f6965 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2015年1月31日 22時
