ゆめみらい ページ48
．
※なんだかエース君、
幼児退行的感じになっちゃいました
．
「____っ……ぁっ……」
「……？」
午前零時を回ったある夜の事。
ギシギシと歩く度に音がする廊下を進み、自分の部屋へ戻ろうとしていたアーセナルの耳に届いたのは呻き声にも似た声だった。
声の主が住む部屋のドアは閉ざされていて、中の様子は伺えない。
ゆっくりドアノブを捻れば、カチャリと控えめな音を立ててドアが動き出す。
「……エース？」
雑誌やコップや煙草の箱やらが適当に置かれてぐちゃぐちゃな部屋の真ん中に、無造作に置かれた布団が膨らんでいた。
「……め、っ……ぃっ……」
「エース」
部屋の主であるエースは、頭まで布団を被って丸まっていた。
自分の体を守るように丸くなっているエースが時々、小さく声をもらす。
「エース、エース」
布団をアーセナルが揺さぶっても、幾ら名前を呼んでもエースの夢は覚めない。
「エース、エース！」
何度大きく揺すっても、エースは目を覚まさない。
「エース、エースっ……」
「___ぃ……やめ、っ……」
エースの声がどんどん苦しげなものになっていく。
「っ……“リョウ”っ！」
その言葉と共に、アーセナルが思い切り布団を剥がした。
「っ……」
「……エース」
ゆっくり睫毛を震わせて、エースが目を開けた。
「あーせ、なる……？」
「せや、俺や」
「っ……いたい、いたい……」
揺れるエースの目から、ポロポロ涙が零れていく。そしてまた自分を守るように、体を抱え込む。
「エース、大丈夫やからっ……」
「もう、いややっ……やめてっ……」
「エース！」
_____時々、彼は夢を見る。こどもの家に来る前の、抵抗すらできない幼い頃の記憶を、夢に見る。
「もう終わってんねん！ 大丈夫やからリョウ！」
「っ……す、ばる君……？」
パチパチとエースが瞬きする。
「せや、俺や。大丈夫や」
つう、とゆっくりエースの頬を滑る涙が、布団に小さな染みを作る。
「大丈夫、大丈夫や」
アーセナルと視線が混ざってすぐに、そのままエースは目を閉じた。
きっと彼は、次に目を覚ました時にはもう、今起きたことを覚えていない。
「……おやすみ」
剥がしたままの布団をもう一度エースに被せ、アーセナルは部屋を後にした。
『ゆめみらい』
**嵐子様
こんな感じになりましたが、
リクエストありがとうございました！
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れな - ありがとうございます！ (2015年3月12日 0時) (
レス) id: 7e221f6965 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - リクエストのお話ありがとうございました。お礼が遅くなりすみません。トッポを心配でするメンバーがよかったです。エースとトッポのコンビが好きなのでいつか、2人のお話もまた読めたら嬉しいです。これからも楽しみにしてます。 (2015年3月11日 22時) (レス) id: 84ad1a8f3e (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - れなさん» リクエストありがとうございます！ひとつ目の方ですが、同様のリクエストを他の方からも頂いているのでそちらと合体させていただきます。ふたつ目の方も書かせていただきますのでよろしくお願い致します！ (2015年3月11日 21時) (レス) id: 4ec3ff7e45 (このIDを非表示/違反報告)
れな - あと、アーセナルが拉致されちゃって、皆で助けにいく的なのがみたいです！ 何度もすみません！ (2015年3月10日 0時) (レス) id: 7e221f6965 (このIDを非表示/違反報告)
れな - リクエストです！ トッポが何かしら無茶をして、怪我をしてしまって、ジャッキーが説教したらトッポが泣いちゃったっていうのがみたいです！笑 それで、ジャッキーが少し焦っちゃう的な笑 よろしくお願いします！ (2015年3月10日 0時) (レス) id: 7e221f6965 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2015年1月31日 22時
