泡沫と桜の段*2 ページ21
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地面を蹴れば、ざっ、と砂埃が立つ。
もうすぐ、日が暮れる。
「_________本当に、えぇん……?」
「おん、大丈夫やから。タツを一人で行かせるよりは、ね」
とある大通りの裏道に、忠義と章大はいた。
「……あそこ、や」
まだ頬の赤い忠義の指差した先には、華御殿が堂々と立っていた。
「真っ赤やな……」
華御殿の壁は全て赤く塗られ、所々に金色の装飾が付けられている。
他の屋敷とは比べものにならないほどに、豪華な造りだった。
「……ここから、どうしよ」
ふっと忠義が息を吐いた。
「どうしよ、って……?」
「今、この時間が一番、ここが賑やかになる時間や。せやから、下手に動けば……」
ごくん、と忠義が唾を飲み込む。
「……忠義は華御殿から、逃げたんよね?」
「おん、そうやけど……?」
「ってことは……」
ちらりと章大が大通りを見つめた。
「きっと今、華御殿の人たちは忠義を捜しとるはずやな」
「かも、な……」
「ならいっそのことさ_________」
章大が忠義に耳打ちした。
「っ……そんなん章ちゃんまで……」
「大丈夫や、きっと」
「あかんって……」
「せやから大丈夫、まぁ今夜を乗り切れば、になるけど」
ニッと章大は笑いかけた。
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数分後、二人がいた場所には誰もいなかった。
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未優です!
浮世踊リビトPart1、が作者初の評価数100を突破致しました!本当にありがとうございます!
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未優(プロフ) - いろはさん» お褒めの言葉、ありがとうございます!素直に嬉しいです!これからも頑張ります! (2014年3月28日 16時) (レス) id: a6c308c70b (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - ∞eighter∞Love∞!さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!内容としてはまだまだですがよろしくお願いします! (2014年3月28日 16時) (レス) id: a6c308c70b (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - りいささん» お褒めの言葉、ありがとうございます!本当に嬉しいです……まだまだですが頑張ります! (2014年3月28日 16時) (レス) id: a6c308c70b (このIDを非表示/違反報告)
未優(プロフ) - あおねこさん» コメントありがとうございます!まだまだですがよろしくお願いします! (2014年3月28日 16時) (レス) id: a6c308c70b (このIDを非表示/違反報告)
いろは - ぐだぐだだなんて…!躍動感とか疾走感があるし、話がしっかりしていて面白いです!ゆっくりで大丈夫です。これからも応援してます!! (2014年3月28日 13時) (レス) id: 76bfc7ffbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Myu | 作成日時:2014年2月28日 19時