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なんだか優しい幸せな夢を見た。
寝起きのポワーンとした頭で、ベッドの上の身を起こした。
あ、れ?
わたしここでは寝ていないはず、
と言うか、がんちゃんがシャワー終わるの待ってるつもりだったのに
まさか、また運んでもらったのか!!
恥ずかしすぎる…。なにやってるんだ私。
火照る顔を静めたくて、座り込んだまま、上半身をシーツに突っ伏した。
「は!」
まだ、寝てるのかな?
そっとリビングを覗いたら、彼はソファの上に横になっていた。
あのままここに居てくれたことにホッとしている自分に驚いた。
いやいや、ここは知らないうちに帰ってるのが普通でしょ…。
そしてそのままフェードアウトがセオリーでしょ。
なんで泊まってるんだろ、この人。
変に期待して、朝から胸が苦しくなる。やめてほしい。
考えるのを放棄して、身支度をするために洗面所へ行った。
洗濯機を回すのは好き。
干すのも好き。
でも畳むのは嫌いだ。
がんちゃんの昨日の服は私が畳んだまま、棚の上に置いてある。
昨日着ていた服、着たくない…よね?
んー、洗っちゃおう。乾燥までで1時間くらいか。すぐ着れるもんね!
我が家で唯一、自慢できる家電。乾燥機付の洗濯機を、今日ほど有効に使えた日はないなと思う。
洗濯機を回しながら、歯を磨いて顔を洗う。基礎とパウダーと、リップだけのうすい化粧をした。
あぁ、誰かが家にいるなんて、久しぶりだ。両親が出て行ってからはひとり暮らしだから、なんだか嬉しい…。
浮足立ってる自分の気持ちに理由を付けてリビングへ移動した。
ソファをみるとがんちゃんは、仰向けで脚を片方伸ばし、両腕は頭の後ろにまわして、まだ眠っているようだった。
そろそろ…起きる?
時計を見たら8時。
私はオフだけど、彼、もしかして仕事なんてことはないよね?
「あのー岩田さん?」
横に膝立ちして
ちょんちょんと腕を突く。
スースーと寝息をたてたまま動かない。
うーん、起きないし。
揺すって起こそうと、腕に手を伸ばした。
「!」
逆に彼の手が私の腕を掴んで引いた。
「っあ!!」
腕を引かれた勢いで床にひざをついたまま身体をがんちゃんの胸に乗せてしまった私は、慌てて離れようとした。
剛典「…。」
片目をあけてゆっくりと口元に笑みを浮かべる。
起きてるじゃん!
てか、こんな笑顔、目の前で見るとか無理!!
離して欲しいのに、背中にも腕が回って固定されてしまった。
顔から火が出そう。
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Happy Lovers of Time(プロフ) - ひとむさん» コメントありがとうございます。素敵だなんて、まだまだ拙くて申し訳ないですが、楽しんでいただけるよう頑張ります! (2015年10月9日 20時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひとむ(プロフ) - 初めまして!すごく素敵な小説ですね ニヤニヤがとまりません(笑)甘い岩田さん楽しみにしています、頑張って下さいね! (2015年10月9日 12時) (レス) id: f4d20f55fc (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - rimidayoさん» いつもありがとうございます! (2015年10月7日 1時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
rimidayo(プロフ) - ずっと応援してるよ!naoより (2015年10月6日 21時) (レス) id: 10bfd819ae (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - ハチ子さん» ハチ子先生には負けます (2015年10月6日 21時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maki | 作成日時:2015年9月5日 19時