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剛典くんの自宅へ向かう途中、車内でずっと手を繋いでいた。
それは温かくて、じんわりと彼の熱が伝わる幸せを感じた。
もう、一秒たりとも離れるのが惜しいって、私達きっと同じ事を考えてる。
すっかり酔いも覚めてしまって、思い出すと恥ずかしい言動の数々に、1人赤面してしまう。
「…なに?顔赤いけど。
…やーらしー(笑)」
そんな私に気が付いてからかう剛典くんを軽く睨んだ。
「変なこと言わないでっ。
随分、酔って迷惑かけちゃったと思って…」
酔っていた間の事を全て覚えている。もう恥ずかしい事この上ない。
「何言ってんの。
素直でめちゃくちゃ可愛かったよ〜。なんならずっと飲んでていいよ」
ニコニコと笑う剛典くん…
それじゃあアルコール中毒になっちゃうよ。
さっきまでの甘い余韻をつないだ手に残したまま、しばらくすると車はマンションに着いた。
地下の駐車場はエレベーターでエントランスと繋がっていて、2回のセキュリティを通る。
車を降りて繋いだ手は、今度はきゅっと強く握られて、振り返る剛典くんは微笑むけど、これから起こる事を考えると緊張感に押しつぶされそう。
彼の部屋のドアロックをカチャリと開けて、手を引かれて中へと入って気が付いた。
剛典くんの匂いがする…。
「お邪魔します…」
「はーい、どーぞー」
緊張感に包まれながらも、やっぱり甘くてちょっと石鹸の匂いだな、とホッとして嬉しくなってパンプスを脱いだ。
その時、急にクルリとこちらをむいた剛典くんに、いきなり抱き上げられた。
「きゃ!」
急に近づく彼との距離。
恥ずかし…。
顔を背けても、赤くなる頬は彼の目の前で隠せない。
「もう俺、限界…」
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Happy Lovers of Time(プロフ) - ひとむさん» コメントありがとうございます。素敵だなんて、まだまだ拙くて申し訳ないですが、楽しんでいただけるよう頑張ります! (2015年10月9日 20時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひとむ(プロフ) - 初めまして!すごく素敵な小説ですね ニヤニヤがとまりません(笑)甘い岩田さん楽しみにしています、頑張って下さいね! (2015年10月9日 12時) (レス) id: f4d20f55fc (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - rimidayoさん» いつもありがとうございます! (2015年10月7日 1時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
rimidayo(プロフ) - ずっと応援してるよ!naoより (2015年10月6日 21時) (レス) id: 10bfd819ae (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - ハチ子さん» ハチ子先生には負けます (2015年10月6日 21時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maki | 作成日時:2015年9月5日 19時