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ふふふ。
たのしい。
たかのりくんが私の手を引いて
クラブから車へと戻る。
どうやら、強めのカクテルを飲んでしまったようだった。
しかも一気に流しこんだから、ちょっと酔ってしまったみたい。
ダンスを見た後、少しテーブルで話をしていたんだけど
彼は急に黙ってしまって、私、何かしたかなって…不安になってしまう。
「ごめんね、わたし嫌な事言った?」
たかのりくんに嫌われたらすごく悲しいよ…。
剛典「え!?なんで泣くの!何にもないよ」
「だって、喋ってくれない…」
「いや、それは!
Aが、俺に…ときめくとか言うから…」
困ったようにプイッと横を向く彼。
「迷惑ぅ??」
「全然!…嬉しい」
「なーんだ、良かったぁ♡」
「…はぁ…。」
安心してにっこり笑ったら、たかのりくんは両手で目を抑えてた。
なにしてるんだろ?
その後、ちょっと俯きがちに「もう、出よっか」と彼に手を引かれて、現在に至る。
繋いだ手が暖かくて、それだけでフワフワと嬉しい気分だ。
キャップの鍔で隠れたやさしい目が、時々ちらりとこちらを気にしてくれる。
わたしの歩幅に合わせてるのか、ゆっくり歩いてくれる。さりげない優しさが好きだと思った。
「すーきー♪」
「え!?」
「♪」
「…」
「たかのりくーん」
「…」
「しあわせっ」
思いついた歌を歌いながら、つないだ手をブンブンと振り回してから、ピタッと彼の横にくっついた。
「ふふっ」
「お前…。
心の声、全部出てるんだけど?
…もう…参ったなぁ」
駐車場に着いて、彼の車の助手席へ乗りこむ。
あー楽しくて、いつもよりお喋りな私。
たかのりくんも楽しいかな?
「俺も楽しいよ?
こんな素直でかわいいAがみれるなんてね」
「なんで思った事がわかるの?」
驚く私に
「…だから、さっきから、心の声駄々漏れだからね?お前」
あれ。じゃー、相当酔っ払ってるのかなー。
ヤバくない?
「やばいやばい。
A…。可愛すぎてヤバい…。」
ハンドルにしがみつく格好で、顔だけこちらを向いてる剛典くんは、何故か困った目をして笑っていた。
「さてと、行きますか」
たかのりくんは、気を取り直して、といった様子でハンドルを握って車を発進させた。
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Happy Lovers of Time(プロフ) - ひとむさん» コメントありがとうございます。素敵だなんて、まだまだ拙くて申し訳ないですが、楽しんでいただけるよう頑張ります! (2015年10月9日 20時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひとむ(プロフ) - 初めまして!すごく素敵な小説ですね ニヤニヤがとまりません(笑)甘い岩田さん楽しみにしています、頑張って下さいね! (2015年10月9日 12時) (レス) id: f4d20f55fc (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - rimidayoさん» いつもありがとうございます! (2015年10月7日 1時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
rimidayo(プロフ) - ずっと応援してるよ!naoより (2015年10月6日 21時) (レス) id: 10bfd819ae (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - ハチ子さん» ハチ子先生には負けます (2015年10月6日 21時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maki | 作成日時:2015年9月5日 19時