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剛典くんは知り合いをみつけたようで、ハイタッチをして挨拶している。
何かを話しているけど、音が大きくてよく聞こえない。


私の方を振り返った彼は、少年のようなとてもワクワクした表情で

「あのテーブルね、あそこからステージ見えるから、行こ」

そう言って、また私の手を引いて進む。


どうやらvip席らしいこの場所にはテーブルとソファがあり、私が腰掛けるとすぐカクテルが運ばれてきた。
さっき剛典くんが注文しておいたようだった。

背の高い細身のグラスに入った赤とピンクのグラデーションのそれは、可愛らしいようで情熱的な色合いだ。
だけど、

「いいの?車なのに剛典くんが飲めないじゃない。私だけこんなの飲んで。」

「いいの!俺も飲みたくなったら飲むよー、車置いていけば良いもん。A、ちょっとくらい大丈夫でしょ?」

そう言われたら、少しなら良いかなと思い口をつけた。

甘い…。


チラリと剛典くんをみたら、すっかりステージ上のダンスに目を奪われているようだった。


ほんとにダンスが好きなんだな。彼の好きなもの、一緒に見れて嬉しいかも。


フッと場内が暗転した時、隣で立ち上がる気配を感じた。

そしてフロアに響く声。


「本日のSecretGuestの登場!!」


ステージ上に走っていく、彼の後ろ姿。

ライトを浴びて、こちらを向いた剛典くんは、音楽に、彼の全てをぶつけるように踊り始め
た。





シークレットゲストなんて余興に
誰だ?ってざわついた場内は、一瞬で歓声に変わった。

わかった。
彼が見せたいものが何か。


…剛典くんのクランプだ。


キャップもサングラスもそのままで、誰かはわからないはずなのに、その実力で客の心を動かす。

あぁ。
これが、彼の心にあるものなんだ、と魅入られ、目が離せない。

クランプはもともと怒り、感情の表情がベースにあるダンスなのだと、車の中で話していた。

でも彼のは、

全てを凌駕する、強く強く渇望する気持ち。
想いの強さで、全てを飲み込むような。


そんな沢山の言葉が頭に浮かぶ中、数メートル向こうの彼がニヤリと口元を歪めて笑った。

次の瞬間、頭に浮かんだのは



「猛獣」



彼の中に、獰猛な野獣を見た気がした…。

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設定タグ:三代目JSoulbrothers , 岩田剛典 , 恋愛   
作品ジャンル:タレント
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Happy Lovers of Time(プロフ) - ひとむさん» コメントありがとうございます。素敵だなんて、まだまだ拙くて申し訳ないですが、楽しんでいただけるよう頑張ります! (2015年10月9日 20時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひとむ(プロフ) - 初めまして!すごく素敵な小説ですね ニヤニヤがとまりません(笑)甘い岩田さん楽しみにしています、頑張って下さいね! (2015年10月9日 12時) (レス) id: f4d20f55fc (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - rimidayoさん» いつもありがとうございます! (2015年10月7日 1時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)
rimidayo(プロフ) - ずっと応援してるよ!naoより (2015年10月6日 21時) (レス) id: 10bfd819ae (このIDを非表示/違反報告)
Happy Lovers of Time(プロフ) - ハチ子さん» ハチ子先生には負けます (2015年10月6日 21時) (レス) id: 7c48fcd4e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:maki | 作成日時:2015年9月5日 19時

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