【rd】ぐちゃぐちゃにしたい

五話：よんでよ ページ5

あなたside



『君はほんとかわいい』
「ありがと」

どちらかというと君の容姿は美しい。触ったらぱらぱらと少しずつ崩れてしまいそう。
けど、それよりもかわいいと思ってしまうのだ

「君は俺の事名前で呼んでくれんよね」

手が重なった。いや、重ねてきた。君が

『君だってそうでしょ』

君の方を振り向くとばちっと目が合った
虚ろな目にはしっかり私が写ってて

閉じ込めたものが這い上がろうとしてくる


ゆっくりと君の顔が近づいて
息が掛かって鼻がぶつかってまつ毛も触れそうで


それなのに私は目を閉じれなくて
じっと君を見つめて


「とじて」


至近距離で少し掠れ気味の声が聞こえる
その声でどっと気持ちが溢れ出す

きゅっと目を閉じると短い笑い声のあとに触れる唇

少しした後にゆっくり唇を離される
そんなに長い間ではないことはわかってるけど体感では2分間息を止めていた気がした


「A」


名前を呼ばれて目を開くと君の顔が目の前にあって


「顔真っ赤。かわいい」
『もう1回呼んでよ』


ちょっと顔が熱い。きみのせい。


「じゃあ俺も呼んで」

ちょっと挑発してるみたいににやにやしてる顔
けど目は相変らす虚ろなまま

『らだお』
「なんか違和感あるかも」

そう言って顔を顰めた

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