【rd】ぐちゃぐちゃにしたい

四十話：べっど ページ40

あなたside




「なにもないけどあがって」
『お邪魔します…』

鼻腔を刺激する君の匂い。覚えのある匂いだ。
靴が1足しかない玄関がやけに引っかかる

「案内するね」

そう言ってトイレと手洗い場等を一通り教えて貰ったあとらだおの部屋に連れてこられた。


「今11時半か。なんか食べるもの持ってくるね」
『わかった』


「テキトーにくつろいどいて」なんて言ってどっかに行ったらだお。そして、らだおの部屋で呆然としてる私。

少々散らかっているものの必要最低限の家具しかないまとまりがある部屋。ここでらだおは寝てるんだ。

くつろいどいてとは言われたが勉強机と椅子とベッドとクローゼットしかないこの部屋でどうやってくつろげというんだらだおは


『くつろげって言ったのはらだおだから…』


そう自分に言い聞かせてベッドに腰をかける。
それでも手持ち無沙汰でソワソワする。

ちょっとくらいならいいよね…

廊下にらだおがいないことを確認して掛け布団にくるまる。らだおの匂いに包まれる。抱きしめられてるみたい。ずきずきとする心臓。鼓動が加速する。


「なぁにかわいいことしちゃってんの。A」
『いや、これはその…』


布団が重くなったと思えば聞こえる君の声
布団越しに君に抱きしめられてる

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