三十八話:ししゅんき ページ38
らだおside
強風を肌で感じる。Aが俺にしがみつく。
「坂下るよー」
君に聞こえるように大きな声で叫ぶ
いうてそんな急な坂じゃないけど
ふわっした感覚の後に勝手に転がっていくタイヤにつられとんでもない速さで坂を下る。後ろのAは必死に俺にしがみつき身体を寄せてくるからAの柔らかい感覚に全神経が集中する。仕方ないだろ思春期なんだから。
『突き当たり右、どしたのらだお』
「ぃや、な、なんでもない」
『声裏返ってるけど…』
坂を下りきってもAが離れないから変に意識しちゃってもんもんと感情が俺の中で滞っていく
早く着かないかなって言う俺とまだ着かなくていいという俺が俺の中で争いをしている。
『ここら辺で大丈夫』
そのAの声に弾かれたようにぱっと意識が戻る
「ここで待ってるね」
遊具が2つしかない小さい公園で一息つく
Aが見えなくなるまでAを目で追う
危なかった…てか、何を今更意識してんだよ俺は
ハグもしたしキスだってしたしAのあられもない姿だって見た。それなのに身体がくっついたくらいでこんなに掻き回されてる。
「かっこわり」
『なにが』
「びっっっっくりした、」
『今日は声大きいねらだお』
「仕方ないでしょ」
不意に聞こえた声に思わず大きな声をあげる
『らだおのために着替えてきたんだよ』
意識してるのかしてないのかわからないけど上目遣いをしてこちらを覗き込んでくるA
「かわいい」
ダメダメ煩悩をはらわなきゃ、
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badendingが好きすぎる人(プロフ) - めっちゃ好みだ! (4月30日 3時) (レス) @page4 id: 72c8a53bfa (このIDを非表示/違反報告)
わお - 何度も読み返してます!!rdさんとのキスシーンとか特に好きすぎます、、、 (3月8日 23時) (レス) @page42 id: 62a23315c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぎん - ちょっとえちちなシーンも全然やらしくなくて、さくさく読めました。おもしろかったです。 (8月22日 19時) (レス) id: 488bc30d7a (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても感動しました伏線が幾つかあるみたいなので何回も読んで探してみようと思います。個人的にかなり好きな作品でとても面白かったです!他の作品も読ませていただきます!活動応援しています無理なさらないでくださいコメント失礼しました (5月10日 11時) (レス) @page49 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
あー - 素敵な作品ありがとうございました。 (2023年5月5日 2時) (レス) @page49 id: cd0637dad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hk | 作者ホームページ:https://lit.link/hkao
作成日時:2022年11月17日 1時