【rd】ぐちゃぐちゃにしたい

二十六話：かんじょう ページ26

らだおside




『いい匂いする』

顔を埋めてくる姿が可愛い
てか、めっちゃすんすん聞こえるんだけど

「そんなに嗅ぐもんなの」
『落ち着く』

遂には深呼吸し始めた
俺は猫じゃないんだけどな


「そろそろ下校時刻なっちゃうよ」


そう聞いても声が返ってこない


「A」


顔を覗いてみると目を瞑ってすやすやと寝ていた




あー







やばいな





先程まで溢れかえっていた庇護欲が全て加虐心に変わる
ほんとにぐちゃぐちゃにしてやりたい。



テスト勉強のストレスも相まって余計に加虐心が掻き立てられる。がんばれ俺の理性。



思考を巡らしていても感情は積もっていくばかりで




「……すき」



やけに響いて聞こえた独り言

結構前から気付いてたけど気付かないふりしてた。
けど、もう無理かもしれない。感情が溢れて収まらない


このドロドロとした真っ黒に染まった好きという感情を君に知られる訳にはいかない。教える気もない。

この感情は俺の中で留めるべきだ




『らだお、』




その一言に酷く動揺した。ただの寝言に
起きてるかと思った。びびった、




『すき』




息が止まった、瞳孔が開いた、時間が止まった気がした。それと同時に俺の中の理性がプツンと切れた音がした。


別に今日くらいなら、いいよな

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