【rd】ぐちゃぐちゃにしたい

二十四話：わがまま ページ24

あなたside




「ほんとに熱じゃないんだね」
『ほんとだよ』

そう言うと綺麗な瞳を閉じて私に覆い被さる
首元に当たる髪や息がこそばゆい

「俺はAを信じるよ」
『こんなんで疑わないで』

ぎゅーって抱きしめてくるから嬉しくて何かが満たされる

今思えば君を一目見たときから君に惹かれてたのかもしれない。君の声、瞳、雰囲気、その全てに


『今から我儘言うね』
「なに急に」


キスしたい


そう言おうとして口を閉じた
君は嫌がらないかな、こんなことしていいのかな

いつ見ても変わらない

倫理観がないのはわかってる。それでも私は君の唇を欲していて思考がぐちゃぐちゃになる。


『やっぱりなんでもない』


濁った瞳と目が合ってそのまま逸らせなくて
私のことしか眼に入らないようにしたい

君の頬に手を添えて顔を近付ける
そうすると君は目を閉じてくれるからその閉じた瞳にまぶた越しにキスをする

渦巻く独占欲が君にバレないように

「口じゃないんだ」
『口がいいんだ』

そう挑発するように言えばちゃんとその挑発に乗る
唇を重ねるだけじゃなくて深い方までしてくるから無理やり思考を中断させられる。君のことしか考えてないよ


「かわいーAの我儘はこれだけなの」


そういう君は私のこと全部お見通しみたい


『そんなことあるわけないよ』

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