【rd】ぐちゃぐちゃにしたい

二十二話：ずきずき ページ22

あなたside




保健室に着くと有無を言わさず椅子に座らされとりあえず冷やしてと冷蔵庫から取り出された保冷剤を渡される

冷やしても手首はずきずきしている

湿布はどこだと色々な棚は引き出しを漁っている
場所を知ってるのは黙っておこう


『もう大丈夫だよ』
「どーせ嘘でしょ」

探し物をしている手を止めて振り返ってそう言う
らだおの前で嘘ついたことないはずなんだけどな

『ほんとに大丈夫。ちょっと捻っただけだし』
「せめて湿布は貼ろう」
『わかった』

ようやく見つけた湿布を持ってこちらに来る

「手出して」

大人しく手を出すと親指の付け根のから湿布を貼られる

『手首じゃないんだ』
「捻っただけじゃないでしょ」

ずきずきと音が鳴っているかのように痛む手首
全てを見透かしていそうな瞳の君には聞こえていそう

「無理しないでね」

湿布が貼ってある手を包まれる

ずきずき手首が痛い

優しい瞳で私の眼を見る君

なんか心臓も痛い


「教えて」


ぎゅっと痛くない程度に力を込められる

しばらく忘れていたこの感覚
何かが溢れてくる


心臓がずきずきする


「教えてくれるまで離さないよ」


私は鈍感ではない


「聞いてるの」


この感情に気付いてしまった

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