【rd】ぐちゃぐちゃにしたい

十四話：かんせつ ページ14

あなたside




一通り笑った後にちょっと間を置いてから君が言う


「やっぱ無理じゃん」
『もうちょっと練習したら吹けるよ』


もう1回息を入れてるけど聞こえるのは息の音だけ

「壊れてるんじゃないの」
『さっきまで吹けてた』
「今壊れた」
『そんな脆くないよ』

恨めしそうにマッピをぎゅっと握りしめてるのを見て思わず笑みが零れる。なんかかわいい。

「気付いてるのかな」

なんのことだろう
そう思っているのを汲み取ったあと苦笑いを浮かべる君

「やっぱり」
『なにが』
「それ聞いちゃうのか」
『教えて』

少し間を置いてから君は言った


「関節キス」


君の耳が少し赤いからそれに伝染して私も顔が赤くなる

キスは君と何回も直接したことあるのに、あるはずなのに、何故か直接したときよりも恥ずかしい

君がもう一度、吹こうとマッピを構えたから思わず君の手からマッピを奪ってしまった


「どしたの、お手本見せてくれるの」
『いや、ちが、』
「見せてよ」


じっと私の顔を覗き込む君、その瞳に吸い込まれそうになって…危ない、しっかりしなきゃってマッピを咥える


何回か音を出してから君を見た


『えっ』


顔がほんのり赤く染まってマフラーに顔を埋めていた君



「ちょっと恥ずかしいかも」

十五話：こきゅう→←十三話：ぶかっこう

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す