舞い降りた天使 ページ2
A side
『だいっきらい！』
ばちん
私の手が彼の頬にぶつかると痛々しい音が響く。
『もう…もう知らない！』
彼の家に合鍵で入ったら、見知らぬ女と身体を重ねている彼がいた。信じられなかった。長い付き合いだったのに、そこに確かに愛はあったはずなのに。
溢れる涙でぐちゃぐちゃになった顔を見られたくなくて彼の声に聞く耳持たずに無我夢中で走り出した。
『ここどこ……』
方向音痴の癖して進んだのが仇になった…
公園らしきところがあったのでそこのブランコに腰をかける。
『さむ…』
彼が身体を重ねている時間帯ということもあり、辺りは真っ暗でもちろん寒い。
『ほんっとに、最悪……』
お泊まり会をしようということでわざわざここまで来たのに…自分の家は5駅先で知り合いの家もない。オマケに財布の中身はからっぽ。
自分の惨めさを感じ余計に涙が溢れてきた。
？「あ、あの…大丈夫？」
『すみません、退きますね。』
びっくりした。声かけられると思って無かった。
顔を見られたくなくて目線を下に向けてブランコから降り、走り出そうとした。
？「まって！」
手を捕まれ、行く手を阻まれた、
『なんですか？』
？「その、寒そうから。これ、」
そう言って渡してきたのは缶コーヒー。
冷えきった私の指先には熱すぎるくらい温かい。
？「あと、お金。これでホテル行って。」
そう言って私の手に押し付けるように渡したお金
『お金は流石に受け取れません！』
急いでお金を差し出す。なんなんだこの聖人のような人は、けれど少し違和感がある喋り方をしている。
？「…泣いてる」
しまった。見られた。
逃げようとした途端、腕を引っ張られ聖人のような人の胸にとびこんだ。そして、抱きしめられた。
？「大丈夫じゃない。なんで泣いてるの」
余計に涙が溢れてきた。
彼は聖人なんて言葉じゃ収まらない。天使だ。
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show(プロフ) - 雲海。さん» コメントありがとうございます。オチだけ練って投稿したのでとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年3月31日 6時) (
レス) id: 8f4818c5c9 (このIDを非表示/違反報告)
雲海。(プロフ) - めっっっちゃ好きです……！最後のオチも最高でした…！ありがとうございました…🙌🙌 (2022年3月31日 0時) (レス) @page32 id: 9794e7e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：show | 作成日時：2022年1月6日 14時
