十年恋／つわはす ページ10
俺には友達が少ない。
別に嫌われてるとかそういうのではなくて。
俺は人と話すのが苦手で一人でいることが多いだけで。
A｢はすお！！おはよう！！！｣
でもそんな俺にずっとくっついてくる奴がいる。
つわはす｢…おはよう。Aは朝から元気だね。｣
A｢そりゃあみんなに会えるからね！楽しみなのさ！！｣
つわはす｢…変なやつ。｣
A｢えー！？なんでよ！？｣
そいつは俺とは正反対で。
クラスメイトはそいつが大好きで。
そいつもクラスメイトが大好きで。
何故か小学１年からずっとついてくるやつなんだ。
高校１年の今になっても。
｢Aちゃんおはよ！！｣
｢やっときたのかA〜！！｣
｢Aが来ないと始まんないよな！ｗ｣
A｢なにそれ〜ｗ嬉しいけどさｗ｣
俺はそんなAに恋をした。
身の程知らずとかそんな事も思ったけど。
やっぱり好きだ。
……だけど。
『きゃああああ！！アブくーーん！！！』
アブ｢みんなおはよ〜！今日もみんなかわいいね！｣
A｢…今日もかっこいいなぁ……｣
つわはす｢……そう？｣
A｢恋は盲目って言うんですぅ〜｣
つわはす｢ふ〜ん…｣
Aは学校１イケメンと称される隣のクラスの｢アブ｣って奴に夢中。
何度相談された事か。何度惚気話を聞かされた事か。
そして今日もAは俺の気も知らず笑顔で俺の元へ来て…
A｢はすおぉぉぉ！聞いてよぉぉぉ！！｣
つわはす｢うわっ…うるさ……何？A。｣
A｢あのね！アブくんがね＿＿＿＿｣
あぁほら。まただ。
……あいつの裏の顔も知らないで。
＿＿＿あのAっていう子、美人だよね＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿ちょっと、遊ぼっかな＿＿＿＿＿＿＿
A｢＿＿＿って事があって…ってはすお？聞いてた？｣
つわはす｢……あぁごめん。聞いてなかった。｣
A｢ちょっと〜！！｣
つわはす｢また同じ話かと思って。｣
A｢ちがうよ！！だからね…アブくんが＿＿＿｣
好きだ。A。
あいつなんか見るな。
俺なら誰よりもAをわかってる。
…あいつより幸せにできる。
A｢＿＿＿＿って事があったんだ〜！｣
つわはす｢……そう。よかったね。移動教室だから行こうか。｣
A｢あ！！また聞いてなかったでしょ！？…ってちょっと待って！！｣
１０年Aに恋してるんだ。
そう簡単に諦められるか。
絶対
振り向かせるから。
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作者名：くろ | 作成日時：2017年2月6日 23時
