27-やっと気いた ページ33
花巻side
慌てて去って行ったAの背中を呆然と眺める
(わっかんねぇ。なんであいつあんな顏してんだよ…。つーか、なんで俺はあんな…)
イライラ
イライラ
「…あー！クソッ！」
チッと自然と舌打ちをしてしまう
「ねぇ〜、貴大〜？」
その猫撫で声にハッとして、また腕を絡ませてくる香奈を見下ろす
「何？つーか、離してくんない？」
さっきまでとは一変して冷たく棘のある声がでる
香奈は頬を膨らませ「貴大冷たーい」と言いながら渋々腕を離す
「お前さ、何なの？もういい加減俺の事諦めてくんない？」
数ヶ月前、俺は元々友達だった香奈に告白された。
正直友達以上には思えなかったし「バレーに集中したいから」と言って断った
でも香奈は「諦めないから。」と言って、ずっとアピールし続けてきていた
「…貴大はさっきの子が好きなの？」
いつになく真剣な目が俺を見据える
ーーーー好き？Aが好き？
「…わかんね。
でも、あいつの泣いてる顔は見たくねぇし、そんなあいつを守ってやりたい、とも思うんだよなぁ…」
すっかり暮れ、星が現れた空を見上げる
そんな俺を見て香奈はクスッと笑い
「バカだな、そんなのもう答えでてんじゃん。
貴大はあの子が好きなんだよ。」
と、何処か淋しそうな顔をする
「…好き…Aが、好き…」
そう口にすればどんどん実感が湧いてきて
自然と顔に熱が集まる
「まぁったく、変なとこ鈍感だよね、貴大って。早くその気持ち、伝えなさいよー？」
と言って香奈はくるりと背を向ける
が、再びこちらを振り向き
「…ねぇ、貴大。
ちゃんと、私を振ってくれない、かな？」
澄んだ目で俺を見る香奈
(思い返せば香奈には悪いことしたな…)
真剣な香奈を見下ろし
「…好きな奴がいるから、付き合えない。
悪い、香奈。…ありがとう」
そう言うと香奈は目を潤ませながら、綺麗に笑った
．
去って行く香奈を見送り自分の家に向かって歩き出した
やっと気づいたこの気持ち
早く、早く
Aに伝えたい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぐるたる(プロフ) - うぃうぃさん» ありがとうございますぅぅ！！ドSマッキー、楽しんでいただけた様で私も嬉しいです( ^ω^ ) (2015年8月31日 20時) (
レス) id: d2b26319aa (このIDを非表示/違反報告)
ぐるたる(プロフ) - 無気力@メロンさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！新作も楽しんでいただけたら幸いです^o^ (2015年8月31日 20時) (レス) id: d2b26319aa (このIDを非表示/違反報告)
うぃうぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！うへへ、最後までニヤニヤが止まりませんでした(*´ζ`)ドSまっきー好きです。素敵なお話をありがとうございました！ (2015年8月31日 16時) (レス) id: bde54fe1f7 (このIDを非表示/違反報告)
無気力@メロン(プロフ) - 面白かったです！あと、完結おめでとうございます！ぜひ！違う小説も楽しみにしてます！ (2015年8月31日 15時) (レス) id: 3b4880e4f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐるたる(プロフ) - ヒビ龍さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！ぜひとも最後まで楽しんでください^o^ (2015年8月20日 13時) (レス) id: d2b26319aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぐるたる | 作成日時：2015年5月27日 0時
