性悪ドS花巻店長と私。【花巻貴大】

12‐少し変化した日々 ページ14

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『あ！矢巾おはよ！
ねー、聞いてよー！
昨日もさぁ、あの人にちょっとレジ間違えただけなのに「は？お前バカ？小学校からやり直してくれば？」とか言われてさー！』


そりゃ間違えた私も悪いけど！！

そこまで言う！？



朝練終わりの教室にやってきた矢巾にバイトであったこと(主に花巻店長に関して)を話すのが日常になってきた今日この頃。


最初は矢巾もちゃんと(？)聞いてくれていたのに、最近では「あー、ハイハイ。ソーデスネー。」と、適当に相槌をうってきやがる







一通り私が話し終えると、私の前の席に座り頬杖をついていた矢巾が口を開く

「つーかさ、何なのお前。花巻さんのこと好きなワケ？」









！？！？








『はぁぁ！？んなわけないでしょ！
何であんな頭ピンクの性悪ドS野郎のことなんか！』



「ふーん。俺はブスだのバカだの言われても、なんだかんだ言って続けてるからてっきりAは花巻さんが好きなんだと思ってたわ。

なに言われても、側にいたい的な？

複雑な乙女心的な？」


『おい！なんで半笑いなんだよ！！
ってか、矢巾に乙女心語られたくないわ。

それにそんなんじゃないから！』


これ以上追求されないよう、トイレに行ってくると言ってその場を離れた。








．









『ふぅ〜…』

一応トイレを済ませてハンカチで手を拭きながら廊下を歩いていると







『「げっ/あ''？」』


ばったりと花巻さんに遭遇してしまったのでした☆←






おい、なんであの人ここにいるんだよ！
3年は別階なのに！！


と、一人心の中で悪態をつきつつ『なんで、ここにいらっしゃるんですか？花巻さん』と、穏やかな笑顔を浮かべてみせる



すると花巻さんは私に少しずつ近づき、



「Aに会いに来た。」


『え…』


真剣な顔の花巻さんに私の体温は少し高くなる


「お前に、言いたい事があって…」


『は、い…』


ドクドクと心臓が跳ねているのが分かる






「俺ーーーー







．









明日から合宿だから店頼むわ。」


『は…？』


「あ、あと和代さんも毎日は来れねぇから、お前、うちの店の珈琲淹れれるようになれ。今日中にな。
今日俺が部活終わったらみっちりしごくから店で待ってろよ。いいな。」





じゃ。と言って歩き去って行く花巻さんの背中を私はただ呆然と見ているしかなかった




『は？てか、え…？今日中に、って…



もっと早く言えよ！！！』

私の叫びが廊下に響き渡るのだった

13‐特訓開始→←11‐やっぱり性悪ですね。いやむしろドSかも。

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