第壱夜 其の壱 ページ2
人々から恐れられる鬼滅山。其処に一人の少女が足を踏み入れた
神様の子供でもある桜神Aだ
『鬼滅山…本当に名前の通り山なのね…民家すらもない……』
(と言うか人が住める場所じゃないか…)
少女の目線の先には獣道しかない。その時、何者かがAに話しかけた
?「A…?」
声の主を確かめようとAが後ろを向く。その声の主は…
?「ありゃ…間違えちゃった。人間か…」
綺麗な金色の狐の耳と尻尾を持った幼子の姿をした妖だった
(子供…いや、化け狐か…)
『…妖怪が何で私の名前を知ってるの…』
?「え!?君も【A】なの!?」
『!?』
子狐は笑いながら少女に近づいた。その様子はとても人間慣れしているようにも見えた
(何か調子狂う…人懐っこい子狐ね…)
Aは困惑した。今まで妖であろうと、彼女に笑いかける者は少なかったのだから
?「それにしても、随分背負ってるね。A?」
背負ってる…それは荷物の事ではなく、人ならざる者…つまりは悪霊の事だった
子狐の目には勿論、Aの目にも悪霊の姿は映っていた
?「平気そうな顔してるけど、そいつらかなりタチ悪いのばっかだよ?ほっとくととり殺されちゃうよ」
(…別に、それならそれでーーー…)
「みいつけたぁ…やっとみつけたぁ…ふしのからだぁ…」
『ッ!』
子狐とAが話していると山から一体の妖がやって来た。目的はAのようだ
?「あ〜…低級だけど面倒なのきちゃった…」
「くわせろぉ!」
低級の妖はAに襲い懸かろうとした
?「しょうがないか…A、ちょっと下がってて……」
子狐の言葉を無視してAは妖の元に向かう。そして衝撃の一言を言った
『良いわよ』
?「は!?」
『喰いなさいよ』
Aは右腕を差し出してそう言った
?「は…!?」
ゴキン!!と鈍い音がその場に響いた
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作者名:帽子神 | 作成日時:2020年6月4日 4時