11.嘴平琴葉・嘴平伊之助 ページ11
俺.琴葉「『御馳走様でした』」
お皿を重ねてお盆に乗せる。そして琴葉さんに向かい合った
琴葉「えっと…あの、色々聞きたい事があるのだけれど…」
『はい、わかっています。俺は天明Aと申します』
琴葉「あ、私は嘴平琴葉よ。こっちは私の息子の伊之助」
知ってます…とは言えないな。魔法の事は言っても良いけど転生者だって事は隠さないと…
琴葉「Aちゃん…貴女は一体何者なの?どうして私を助けてくれたの?あの時伊之助が浮かんだのは何故?」
『何者か…は言えません。貴女を助けたのは俺のただの自己満足です。伊之助君が浮いたのは魔法です』
琴葉「魔法…?」
俺は一つ指を鳴らしてお盆の皿を浮かせた
『俺の特殊能力的な奴です。基本何でも出来ます。それなりに代償はありますが…』
普通の魔法なら体力さえあれば無限に使える。だけど人を生き返らせるとなると…
『わかって頂けましたか?』
琴葉「え、ええ…その…何でAちゃんみたいな子供がこんな山奥に住んでるの?お父さんとかお母さんは…」
『そんな人、顔も知りませんよ。俺は捨て子なので。何故山奥か…と言われますと…俺は琴葉さんを追っていた"鬼"という存在を滅する為に此処で修行してるんです』
俺がそう言うと琴葉さんは俺の頭を撫でた
『……何を?』
琴葉「Aちゃんは頑張り屋さんなのね。一人でずっと頑張ってきたのね…ねえ、鬼を殺すのってAちゃんじゃなきゃ駄目なの?」
『…何故?』
琴葉「だって…私はAちゃんが心配なの。こんなに小さい子が鬼と戦うなんて…もしかしたら命を落とすことだってあるかもしれない。命の恩人であるAちゃんに…私は死んでほしくない…!」
静かに涙を流す琴葉さんを見て不思議に思った
なぜ俺なんかを心配する?琴葉さんにとって俺は赤の他人の筈なのに…
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作者名:帽子神 | 作成日時:2020年3月25日 18時