4.名前 ページ4
桑島さんの家に向かっている途中、まだ名前を聞いていないことに気がついた
『あの…貴方のお名前は？』
桑島「ん、そういえば言ってなかったな。儂は桑島慈梧郎だ。お前は？」
『んー…名前という名前はないんですよ。強いて言うなら…"捨"でしょうか？』
桑島「！」
"捨"…それは、捨て子の名称だった
この時代は名前もつけられずに捨てられる子供は多いらしく、私以外にも"捨"という名前の子供はいる
桑島「そうか……うむ、では儂が名前をつけれやろう」
『へ？』
思わず腑抜けた声が出てしまった
桑島「無いと不便じゃろうて」
桑島さんは少し考える素振りをしてからその名前を口にした
桑島「我妻…A……うむ。お前の名前はこれから我妻Aじゃ」
善逸じゃないんだ…と思ったが黙っておこう
桑島「名前のない捨て子ということは誕生日もないのじゃろうな……今日は長月の三日だったな…なら、長月三日がお前の生まれた日じゃ。我妻A」
嗚呼…善逸も嬉しかったのかな……こんなに…空っぽだったなにかが満たされるような…
『ﾌﾌﾌｯ…有難う、桑島さん』
桑島「やっと笑ったな」
『？ずっと笑ってるけど…？』
桑島「儂が見たかったのはさっきの"本当の笑顔"だからな」
……バレてたんだ…これが本当の笑顔じゃないって…作り笑顔は得意だったんだけどなぁ
桑島「ほれ、帰るぞ。A」
『……うん』
私は走って前を歩く桑島さんの横に並んだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうり?★*ﾟ(プロフ) - あの、上から目線で申し訳ないんですけど、堕姫と妓夫太郎2人合わせて、上限の陸ですよ (2020年10月11日 20時) (
レス) id: ec244321f3 (このIDを非表示/違反報告)
雪狐 - 36話の所セリフ言ってる所は雷の痣が出てると良き。 (2020年4月5日 6時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
load(ロード）(プロフ) - 作者さん 作者さん お館様のお呼び出しのところが日本の刀になってます (2020年2月12日 15時) (レス) id: 038cd1b127 (このIDを非表示/違反報告)
-kanon-(プロフ) - すごい好きです！続き待ってます！ (2020年1月30日 16時) (レス) id: f964e58a5c (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - https://www.pixiv.net/artworks/61962532 pixivのNEO様の作品と、3話目のお話の台詞が似ているなぁと感じました。同一人物かもですし、たまたまかもと決めつけは出来ないので、善悪の判断まではいたしません。多少の既視感ゆえ、コメント失礼いたしました。 (2020年1月30日 0時) (レス) id: 8507d484c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：帽子神
| 作成日時：2019年12月12日 18時
